平林直哉

本 フルトヴェングラーを追って

フルトヴェングラーを追って

商品ユーザレビュー

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    jie  |  大阪府  |  不明  |  2014年10月08日

    一言でいうと「かなり個人的マニアック視点」で書かれた本という印象の本だと思いました。SP録音であっても、SACDであっても、まずは個人が所有する再生装置のスペックによって、再現能力というのは変わります。平林氏曰く、それほどいい装置は使っていないとの書き込みが何度かありますが、それであっても、アナログを語れるには、それなりの環境が許される生活にあることが前提条件であることが、アナログを語れる重要な資格のようにも感じるのに、たかが、音楽を聴くことに、生活の格差を問われる世界ということに、どうしても、フルトヴェングラーに限らずヒストリカルを聴く(楽しむ)のについていけない差を感じる次第であります。 まぁ、それでも、「ふ〜ん」と思いながら読むには興味ある本ではあります。 3分の1ぐらいは、自分が製作にかかわった商品についての裏話のようなことも、面白くもありましたが、不思議に思ったのは、アナログに関しては他社との比較がわりと厳格に語られるのですが、CDに関してはあまり触れられてないことでした。 商売敵であろう「デルタ」の「第二世代復刻」についての意見は聴きたかったですね。私が知る限り、グランドスラム、セレナーデでは、「第二世代復刻」を採用したものはありません。SACDについては、かなり批判的視点を持っておられるようなので、SACDに手を出されることはないでしょう。ですが、レコード時代から数えたら、無数のリマスターがおこなわれ、時間の経過とともに、オリジナル音源が劣化していくなか、ある意味、リマスターとは、技術者がおこなうテレビでいう「編集権」のようなものです。つまり、それを聴くものにとって、いい悪いではなく、あうあわないは必ず発生するものです。グランドスラムの商品も例外ではありません。以前は「オリジナル音源(LP、SP)」だったものが、最近では、「オープンリール復刻」が増えています。オープンリール自体が「編集権」を含んだ商品であることを考えれば、聴く側の好みはさらに分かれることとなると思います。やはりフルトヴェングラー復刻CDを購入する人は、フルトヴェングラーを聴きたいのであって、「編集」と聴きたいわけではありません。何枚かグランドスラムCDを持っていますが、どれも私の好みにはなっていません。平林さんの「編集(価値観)」はどうでもいいのです。「オリジナル」に近い、あまり編集者の価値観が含まれない商品が聴きたいのです。そんな意味では、私もSACDが好みではないことは、平林さんと価値観は近いと思いますが、私は「第二世代復刻」は手間はかかるかもしれませんが、高く評価しているリスナーです。おそらくは、これからのアナログ復刻には、SACD派か第二世代復刻派かに分かれるのではと思います。 平林さんは、SACDについては酷評されていましたが、第二世代復刻についても、編集者としての見解を語っていただきたかったと思いました。 デルタ社も、第二世代復刻のものと、そうじゃないものとがあります。 そうじゃないものは、あまり出来がよくないものも含まれている印象を持っています。 初期盤崇拝者ではありません。 CDの初期盤も、厳密なオリジナルではありませんが、 より、オリジナルの再現に近いかどうかとなれば、「いじくりまわしていない」 意味では、好意的に感じるものが多い感じがします。 なかには、変なエコーがはいっていたり、モノラル音源なのに、 ニセステの衣を着せられたものもあります。 SPもモノラルも、そのままの姿がフルトヴェングラーが商品化にOKを出したものだとしたら、それが、その時のフルトヴェングラーの姿に近いものと、私は考えますので、ニセステ(ブライトフランク)は、私の好みにありません。 SPの良さ、モノラルの良さを技術的に引き出すことにうまく成功できたものが、 私は「いい商品」だと思います。 私に言わせたら、「オープンリール復刻」など、他人の褌を利用して商売するのと同じことにしか見えません。 まぁ、そんな意味では、平林さんのこの本については、語っていただきたかったことが語られてない意味で、☆3つといたします。

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  • ★★★★★ 

    なおぷー  |  新潟県  |  不明  |  2014年02月15日

    これは本当に素晴らしい本だと思う。平林氏の本はおおかた読んでおり、そのたびに大発見するようなときめきを感じる。この本も既発売の書籍にも増して充実した内容で、音源やディスクについての知られざる物語を堪能させてくれる。発売と同時に購入し、家に届くやいなや読み始めて一気に読み上げてしまった。読んでいるうちに、ああ、フルトヴェングラーの録音を聴きたい!という欲望が湧いてきて、グランドスラム盤のCDを取り出した。私がフルトヴェングラーを熱心に聴くようになったのはそもそも平林氏の影響だ。彼の著作を読むことがなかったら私はこの喜びを生涯知らなかっただろうから、平林氏は私の恩人だ。

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  • ★★★☆☆ 

    ほんず内閣総理大臣  |  北海道  |  不明  |  2014年02月12日

    タイトルは『フルトヴェングラーを追って』ですが、正確には『フルトヴェングラーのディスクを追って』といふところでしょうか。グランドスラム・レーベルにて板起こしディスクを続々とリリースしている平林さんによる、ディスク探訪記といった趣の本であります。敢えて言えば、「ディスク製作こぼれ話」ですかな。この手のネタは、マニアックな人ほど興味津々、喜んで読むところでありますが、もっとも忠実にフルトヴェングラーのサウンドを再現しているディスクはどれかという観点から最良ディスクを探している人からは、ややまどろっこしい印象もあるでしょう。何より、「良い音」「忠実な音」がいかなるものであるかがフルトヴェングラーの場合にはわからないので(実演を聴いていないから)、結局受け取り手(聴き手)の側の好みが反映されてしまう傾向が否めません。そこが決定的につらいなあ。そして読後の感想は、結局主にメジャーレーベル・リリースのフルトヴェングラーのディスクを聴く側のものとしては、信頼して聴けるものがないという極めて悲観的な想いを持ってしまうことになりかねません。そういう絶望と、もう一つはこういう音盤考古学の未成熟ぶりでありますな。いたるところで平林氏もフルトヴェングラー・マニアの「独りよがり」ぶりを慨嘆していますが、ただ客観的には平林氏自身もそういう中の一人という位置づけもありうるわけで、何とも難しいですなあ。困ったねぇ。さて、総じて個人的には面白く読みましたが、どこか釈然としない気持ちを持ったのも事実。ハイファイという概念そのものが問われているのでしょうな。私はアンプもプレーヤーもデノンで揃えておりますが、それは次のような基準でした。ルネ・コロの実演を聴いた直後、彼のCDを持って電器店に行き、いくつものメーカーのアンプ・プレーヤー&スピーカーを試聴してみて、実演で聴いたのと「同じ」声がしたのがデノンだったので、デノンに決めたということです。そういう実演で聴いたのと同じ音が出るか否かを検証できる限りにおいて真のハイファイはありうるのでしょう。ヒストリカルについてはそれができないケースがほとんどですから、まあホントに難しいねえ。と言わざるを得ません。ムツカシイ問題を突き付ける本です。相当なマニア向けなので星は三つにしておきましょう。

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