交響曲第6番 ルイージ&ウィーン交響楽団(2011)(2CD)
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村井 翔 | 愛知県 | 不明 | 2013年04月22日
中部ドイツ(ライプツィヒ)放送交響楽団を振った前回の録音は素晴らしい出来ばえだったが、やや分離の悪いダンゴ状の録音だけは残念だった(もう入手不能らしい)。この再録音は録音は申し分ないが、端的に言えば中間楽章の順番が変わったほか、造形がより堅固なものになった。つまり、第1楽章「アルマの主題」で大きくテンポを落としたり、抒情的な歌い込みに徹底的にこだわったりといった「変態性」は後退したわけだが、それでもルイージらしさは随所にある。前回録音ほどではないが、テンポはやはり良く動く。第1楽章では展開部中の挿入部(カウベルが鳴る所)の極端な遅さがやはり印象的。スケルツォ主部は前回より速いが(第1楽章第1主題と同じ素材の音楽だが、ルイージの場合、第1楽章より遥かに速い)、トリオになるとがくっと遅くなる。終楽章も前半は比較的冷静だが、さすがに再現部以降は非常に気合の入った、乾坤一擲の名演。ここでもカウベルの鳴る部分(つまり、激しい闘争の間に挟まれた癒しの音楽)では思い切って遅くなるが、こうしたテンポの動きもすべて理に適っていて、きわめて見通しがいい。テンシュテットのようなカオティックな演奏もありだと思うが、曲としては本来、このような整然としたアポロ的な解釈を求めている音楽だと思う。3人の方が、このレビューに「共感」しています。
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