Belle Excentrique: 林美智子(Ms)河原忠之(P)大萩康司(G)三浦一馬(Bandoneon)
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いましゅう | 東京都 | 不明 | 2012年03月24日
テンポが大きく揺れ動く、軽快かつ斬新なタッチで歌われた、いずれも肩を凝らずに楽しめる14曲が収録されている。 林美智子の歌は、その表現も声質も、ベル・エポックの時代に相応しいフランス世紀末風の、どことなくメランコリックで憂いに満ちながら、今その瞬間を楽しむ当時の人々の錯綜した心理をものの見事に反映している。歌い手のフランス語の発音の美しさや歯切れの良さや歌唱技術の高さもさることながら、短いながらひとつひとつの曲の歌詞に込められた背景や登場人物の心理を深く解釈し、読み込んだその抑揚や起伏の豊かな歌唱は、聴く者の心を揺さぶるに十分な説得力を持っている。 収録曲中では、とりわけ同じ歌詞で2つの異なる作曲家による「カディスの娘たち」が面白い。とりわけドリーブの曲はフラメンコ風の情熱あふれる圧巻な曲である。他にも「エレジー」のような存分に物悲しい雰囲気の曲もある一方で、「アイ・リュリ」のような明るく生気に満ちた曲もあるなど、さまざまな曲想の小品が収録されており、1枚のアルバムで、多様な色彩を帯びたベル・エポックの作品を贅沢なまでに存分に堪能することができる、洗練された稀有な作品集である。0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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