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ラヴェル(1875-1937)

SACD 『マ・メール・ロワ』全曲、高雅にして感傷的なワルツ クリュイタンス&パリ音楽院管弦楽団

『マ・メール・ロワ』全曲、高雅にして感傷的なワルツ クリュイタンス&パリ音楽院管弦楽団

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    つよしくん  |  東京都  |  不明  |  2012年04月21日

    クリュイタンスのラヴェルは素晴らしい。クリュイタンスがパリ音楽院管弦楽団とともに録音したラヴェルの管弦楽曲集は、クリュイタンスの遺した最良の遺産であるとともに、様々な指揮者によるラヴェルの管弦楽曲集の中でも随一の名演と高く評価してもいいのではあるまいか。他のフランス人指揮者によるラヴェルと比べても群を抜いて素晴らしいとも言えるだろう。ラヴェルの管弦楽曲は、光彩陸離たる華麗なオーケストレーションが魅力の一つであり、それ故に多くの指揮者によってオーケストラ曲としての醍醐味を味あわせてくれる数々の華麗な名演が成し遂げられてきているところだ。クリュイタンスのラヴェルにも、そうした華麗さを有していると言えるが、どこをとってもフランス風のエスプリ漂う瀟洒な味わいと独特の気品に満ち溢れているという点において、他の指揮者による演奏とは一線を画していると言える。そして、一聴すると曲想を精緻に描き出して行くと言うオーソドックスな演奏のように聴こえなくもないが、よく聴くと各フレーズには独特の洒落たニュアンスと瑞々しいまでの感性が満ち溢れており、常にコクのある響きが全体を支配しているのが素晴らしい。しかも、コクのある響きと言っても厚手の衣装をまとったような重苦しさなどはいささかもなく、むしろ現代的な清新さを兼ね備えていると言えるところであり、こうしたいささかも古色蒼然としていない清新さが、本管弦楽曲集を普遍的な価値を有するものとするのに大きく貢献していると言える。本盤におさめられたバレエ音楽「マ・メール・ロア」や高貴で感傷的な円舞曲もそうしたクリュイタンスの芸風が顕著にあらわれた超名演であり、華麗さと繊細さを併せ持つ剛柔のバランス、フランス風のエスプリ漂う瀟洒な味わいと格調の高さ、そして瑞々しいまでの清新さと言った、望み得るすべての要素を兼ね備えた完全無欠の演奏と言っても過言ではあるまい。クリュイタンスの統率の下、美しさの極みとも言うべき名演を繰り広げたパリ音楽院管弦楽団にも大きな拍手を送りたい。音質は、リマスタリングが行われたこともあって比較的良好な音質に生まれ変わったと言えるが、本管弦楽曲集の第2集のようにHQCD化されることもなく、高音質化の波に乗り遅れていたとも言えるところであった。しかしながら、今般、ついにSACD化が行われることによって大変驚いた。従来CD盤とは次元が異なる見違えるような鮮明な音質に生まれ変わった言えるところである。音質の鮮明さ、音場の幅広さのどれをとっても一級品の仕上がりであり、あらためてSACDの潜在能力の高さを思い知った次第だ。1960年代のスタジオ録音とは思えないような音質の劇的な変化は、殆ど驚異的ですらあると言えるだろう。いずれにしても、クリュイタンスによる素晴らしい超名演を、SACDによる極上の高音質で味わうことができるのを大いに歓迎したいと考える。

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    宇野珍会長  |  埼玉県  |  不明  |  2012年03月26日

    SACD化の最も効果を感じるところは、やはり情報量の多さだ。分離がよくなり、解像度が格段に高くなったところは素直に喜びたい。おまけでリマスターが付いてくるが、これは音源によって出来不出来があるのが残念だが、今までのOリマスターやAリマスターよりは遥かに優れている。演奏自体については、ぼくの中ではブーレーズ/ベルリン・フィルと双肩だ。もっともSACD化前はブーレーズがベストだったので、今回の再リリースはまことありがたい。クリュイタンスのラヴェルはつとめて個人技能が光る逸品だ。それゆえバランスに疑問を抱いてしまうシーンが散見されるが、今回のリリースにより個人技能がさらに磨きが掛かって聴こえ、ブーレーズの完璧な演奏に肉迫しているのだ。これはクリュイタンスが大切にしていた「粋」だといえよう。粋というとマルティノンをイメージする方が多いと思うが、それは間違いだ。マルティノンの「粋」と思わせる部分は、実は深い譜読みと知性に裏付けられているのだ。クリュイタンスのような練習嫌いが、パリの秩序悪い職人集団を豪快かつ繊細にまとめたほうが「粋」と呼ぶのに相応しいといえよう。

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    淳メーカー  |  愛知県  |  不明  |  2012年02月24日

    20世紀の両巨頭でも成しえなかった(録音できなかった)難曲「マ・メール・ロワ」の真の姿がここにある。SACD化でそれはより明らかになった。これを越える演奏は今までもなかったし、今後もないだろう。やはりクリュイタンスは20世紀を代表する真の意味での大指揮者であった。

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    masato  |  新潟県  |  不明  |  2012年02月22日

     今まで“お国物”に拘るような聴き方はしてこなかったのですが,クリュイタンスの一連のラヴェル録音は別…。どんな名優の東北弁より,地元のお婆ちゃんの東北弁の方が上手いのは当然…,どんな一流料理人の料理より,地元の方の手料理の方が“味”があるのは当然…と感じてしまうのです。音が出るとき,音が消えゆくとき,減衰していくとき,徐々に盛り上がっていく様…隅から隅まで,独特の何かを感じてしまう。これが“フランスのエスプリ”と言われるものなんだろうか…。「思い込み,先入観でしょ…?」という人もいるかもしれませんが,その思い込みや先入観を裏切らず,本当にそう思わせてしまうのは,凄いことではないかと思います。完成度という面ではブーレーズの新録音たちが一歩勝っているとは思うのですが,クリュイタンス&パリ音楽院管が作り出すラヴェルは,誰にも超えられない,真似できない何か(“フランスのエスプリ”…?)をもっています。(ここまでは4枚共通のレビューです)  『マ・メール・ロワ』…キラキラした部分,ホワッとした部分,これらの行き来,一瞬たりとも耳が離せない。エンディングでは,ついホロッときてしまいそうな瞬間さえ…。そう,涙腺を弛ませてしまうほどの美しさ…。圧巻です。

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