ピアノ協奏曲第19&23番、他 グリモー&バイエルン放送室内管、エルトマン(CD+DVD限定盤)
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ウロウロ | 東京都 | 不明 | 2012年02月19日
私はこの実演をミュンヘンで聴いている。会場はデッドな響きで、バイエルンの弦も5,4,3,2,1人という少人数だったから、ずいぶん全体としては淡白な印象を与えられた。また、グリモーはサントリーでのK.310も聴いているが、もともとブラームスなどのロマン派を得意としているだけあって、モーツァルトにもそういうロマンティックな志向を持っていて、モーツァルトのエッセンスを引き出すところまではいっていなかったように思う。表現はとても淡白なところと妙にロマンティックな箇所が共存していて、まだ研鑽の余地があるように思われた。指揮者がいなかったことも災いして、またグリモーが弾き振りしているわけではないので、テンポが安定しないという箇所も散見された。しかしながら、彼女がK.505をカップリングした気持ちはよくわかる。この曲はモーツァルトが協奏曲とオペラの要素を盛り込んだ素晴らしい作品だからだ。エルトマンもよく歌っていると思うが、グリモーが左手で煽る場面もあり、この曲にそんな強靭な表現はいかがかとは思った。そういう意味ではシェーファー、ピリス、アバド盤の方がやはりエッセンスをよくつかんでいると思う。実演で「音楽」が出てきたのはK.488の2楽章あたりからで、それまではサラサラ流れるところが多かった。モーツァルトを熟知した指揮者がいれば、もっとエッセンスを引き出せたと思う。ただ、繰り返し聴くのに耐える演奏であることは確かである。それはいろいろ留保はつくが、基本的には耳に心地よい演奏となっているからだ。6人の方が、このレビューに「共感」しています。
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アンフォルタス | 東京都 | 不明 | 2012年01月05日
レコード芸術によればグリモーはホロヴィッツとジュリーニが協演した23番を聴いて感銘を受け、自分もブゾーニ作曲のカデンツァを弾き録音したが、協演のアバドがこれに難色を示し、直前になってモーツァルトのカデンツァを練習して別に録音をしたらしい。その後カデンツァの差し替えをアバドが要求したのに対してグリモーは「どのカデンツァを選ぶかはソリストに権限があるはずだ」と譲らずにアバドとの録音はお蔵入り。そこで自身気に入っていたミュンヘンでのライブ録音、当然カデンツァはブゾーニ版、が収録されたらしい。1986年にホロヴィッツが来日したときに「好きな指揮者はどなたですか?」と質問したのだがその時に「トスカニーニ、、、それにジュリーニ」と答えてくれたことを今でも覚えているが、そのジュリーニとの23番のディスクを初めて聴いたときには、ホロヴィッツの「遊び(過ぎ)」もあってブゾーニ版のカデンツァにやや拒否反応を示したのだが、ここでのグリモーは至極まじめに弾いていて、それほど奇異には思えず「これもありだな」と感じている。ブゾーニ版のカデンツァを頑なに拒んだアバドに彼のモーツァルトに対する、良い意味でも悪い意味でもだが、特性(限界)を感じると言えば言い過ぎだろうか?ホロヴィッツは第3楽章のある部分のリズム・メロディーの歌わせ方にも一家言あったらしく、映像の中で「ターラリララ、、、」と自ら口ずさみながら、モーツァルトは間違えて書いているというようなことを言っていたが、もし手元にホロヴィッツ盤をお持ちならばこの部分をグリモー盤と聴き比べるのも楽しい。ホロヴィッツ盤では第3楽章の4:01〜4:05の演奏でグリモー盤では3:50〜3:54の部分の演奏である。9人の方が、このレビューに「共感」しています。
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ビジー | 兵庫県 | 不明 | 2011年12月30日
グリモーの強烈なエロチズムが隠されたMozart。このCDの彼女の硬質な打鍵はなぜか清楚ではない。Mozartの表現のために意図された硬質な打鍵。しかし、その打鍵の裏には強烈なエロチズムが・・・。1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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eroicka | 不明 | 不明 | 2011年11月13日
真ん中の緩徐楽章は遅いテンポで歌い上げ、最終楽章だけは軽やかに疾走する。20人程度の小編成のオケの伴奏のようだが、奏者個々の力量が高く、ピアノに決して埋没して負けてはいない。ピアノの音色と知的な解釈、現代楽器の小編成オケの純化された響きが実に美しい。(ついでに言えば、グリモーも四十路を迎えたのに相変わらず容色は衰えない)2曲の協奏曲に挟まれたアリアにはアルバムの構成上、若干違和感を覚えた。が、グリモーの思い出の曲なのだそうだから致し方あるまい。今後のシリーズ化への発展を期待したい。1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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