フルトヴェングラー家の人々 あるドイツ人家族の歴史
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椋代能行 Yoshiyuki Mukudai | 大阪府 | 不明 | 2013年01月09日
349頁に「合衆国で成果をあげ、アメリカを征服することが彼の最大限の関心事だった」とあるが、何を根拠にこの著者はそのような主張を展開しているのか。彼は米国との和解を夢見るその葛藤の中で命を縮めたと言うのに。音楽界のマネッジメントはメディアも同様であるが、殊、取るに足らない政治家の策謀や大衆の扇動が働いたとき、容易には信念を遂げられないものであることは最早自明ではないか。それにも拘らず、実際に史実としてシカゴ交響楽団は苦難の中にあってもフルトヴェングラーが最大限に評価をした演奏家、即ちラファエル・クーベリク、ゲオルグ・ショルティ、ダニエル・バレンボイムを芸術監督に迎えている。 またダグマール・ベッラが隠し子であることは、1993年のFM放送でのモーツァルトの二重協奏曲で知っていたが、そうした事実それ自体は音楽家の人生それ自体とは何の関わりも持たない。 戦後70年を経ようとする我々にとって、これは取るに足らない本だ。 ホロヴィッツも、嘗て、「モーツァルトを知りたければまず彼のオペラを全て読みなさい。他人の書いた伝記は読んではならない。作曲家自身の手紙を読みなさい」こう解いている。1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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