雪冤 角川文庫
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peko-rock | 大阪府 | 不明 | 2012年02月08日
重いテーマの作品も大丈夫!という方にはおすすめ。冤罪、死刑制度をテーマにした作品で、最後まで息の詰まるような気分で読みました。悪い意味ではなく、それだけ読者に切迫したものを投げ掛ける、緻密に練られた良作だということです。 冤罪があるから死刑制度は廃止されるべきだ、という訳ではなく、冤罪と死刑の問題は全く別に論議されるべきものだという考えが打ち出されていて、初めて深く考えさせられました。死刑判決を下された息子の雪冤を果たそうとする父(一般的には加害者家族)、それを救おうと闘う弁護士、被害者家族、弁護によって死刑を免れた再犯者によって家族を無残に失った者、ジャーナリズム…一方的ではなく、色んな立場の人が登場し、それぞれの苦しみを吐露していく。それぞれの思いが読者の胸に訴えかけ、考えさせられました。0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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