ブラームス:交響曲第1番、第4番、シューマン:交響曲第1番、第4番 クリップス&ウィーン・フィル、ロンドン響(2CD)
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ほんず内閣総理大臣 | 北海道 | 不明 | 2013年05月14日
シューマンとブラームスの交響曲第1番と第4番がそれぞれ組み合わされた、なかなかに面白いアルバムです。シューマンとブラームスの個人的なつながりは有名ですし(クララを交えると微妙になりますが)、その意味でもいいですな。ま、録音年代やオケの違いがありますので、偶然こういう形で残ったのかもしれませんがね。さて、演奏はブラームスが断然すばらしいと思います。曲の規模と想念が大きく、その分、クリップスも持てる蘊蓄を全て披露してしっかりした手ごたえを感じます。ウィーンフィルとの第1番よりも、ロンドン響との第4番の方が重厚さで優る気がしますね。もちろん、シューマンも悪くありません。基本、オーソドックスで、安心して聴けます。無理に重くも軽くもなく、いいバランスが保たれております。総じて、クリップスさんの確かな手腕と音楽性が発揮されたよいアルバムでしょう。但し、録音は良好ですけどやはり古いですし、特にウィーンフィルとのブラームスは(初期)ステレオなるが故にかえってバランスや音像が曖昧な感じです。また、演奏も(いいとは言え)ファーストチョイスにはなりませんし、ちょっとコアな聴き手向けのものでしょうか。ですが、クリップスさん、その評価はもっと上がってよい指揮者でしょう。野球でいえば、先発ローテには入っておらず、ローテの狭間で登板していい仕事をするというタイプかな。そういう人の技量と存在感はとても高くて貴重なのですけれど、でも常に二流の扱いしかされないんだよね。いかにも惜しいと言うべきでしょう。5人の方が、このレビューに「共感」しています。
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