交響曲第4番 ヘレヴェッヘ&シャンゼリゼ管弦楽団、ジョシュア(日本語解説付)
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村井 翔 | 愛知県 | 不明 | 2012年04月02日
ジャケ写真のイメージを借りて語るならば、いかにも毒々しい色彩のノリントンと違って、ヘレヴェッレの描く4番は品のよい、淡い中間色で彩られた花園だけど、近寄ってみると何と、すべてはプラスチックでできた造花ではないか。つまり、この曲の人工性、擬古典性をきわだたせようというアプローチで、指揮者と楽団のやりたいことは良く分かった。いつもながら知的で丁寧な指揮者の仕事ぶりには感服するしかないし、ソプラノ独唱のカマトトぶりもお見事だ。ただし、私は彼らのやろうとすることと4番そのもののキャラクターの間に微妙なズレがあるのではないかという疑念をどうしても払拭できなかった。それはつまり、4番という曲をどうとらえるかという問題にかかわるのだが、キリスト教に対する悪意モロ出しのこの曲は、彼らが考えている以上にドギツイ作品ではないかと私は考える。指揮者執筆のライナーノートを字義通りに解するならば、ヘレヴェッレの理解は擬古典的という点では私と一致するが、「天国的」なものに対する悪意という、その先の部分については、どうやら私とは違うようだ。したがって、私の理解にふさわしい演奏は、ノリントンやホーネックのような毒々しく、エゲツナイ演奏だ。2人の方が、このレビューに「共感」しています。
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OTTO | 東京都 | 不明 | 2011年06月22日
ヘレヴェッヘの透明でありながら温かみのある音がここでも生かされていて、心地よいです。自分の好みと言う点で言うと、たとえば3楽章はもう少し影の濃い演奏が好きなのですが、節度のある演奏であることがむしろこの盤の良いところであると思います。2人の方が、このレビューに「共感」しています。
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音楽遊人 | 千葉県 | 不明 | 2011年06月20日
単なる珍しい音色で表現しました的なお遊びではなく、各ピリオド楽器の個性的な音色を効果的に鳴らす事によって、感覚的な喜びだけでなく新しい発見がある。大変、興味深い秀演。2人の方が、このレビューに「共感」しています。
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ombredouble | 東京都 | 不明 | 2011年01月08日
満を持してと言うに相応しい録音.まずは角笛から始めモダンオケも経験した周到さが結実しており、響きが物珍しい域は完全に脱している. 第4を様式の異化の実験と捉える今日では標準的な楽曲解釈だが、それが逆にマーラーの特異さを浮き彫りにするスコープとなる.透明ですっと温度が低いトーンの端々から、ピリオド楽器ならではの音色や演奏上の着想が耳慣れた響きとの「ずれ」として二重写しになり、常に考えさせられるが、同時に感覚的な悦びでもあるから堪らない.「異なるフレージングありき」のノリントン盤とはある意味対極のアプローチとも言える. しかし何より素晴らしいのは、その精度高い演奏が湛える抒情性の豊かさ.ジョシュアの独唱は「天上的な」歓喜の表現の驚くべき二面性を鋭く浮き彫りにしつつ、ぎりぎりのところでこちらに帰ってきてくれる.長木誠司氏がかつてブーレーズ盤を評した「修復されたルネサンス絵画のよう」なコワいマーラーという賛辞(?)を、この演奏にこそ捧げたい.目新しい事が書かれているわけではないが、解説も優れている.3人の方が、このレビューに「共感」しています。
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