『コジ・ファン・トゥッテ』全曲 A.フィッシャー&ウィーン・フィル、パーション、プティボン、他(2009 ステレオ)(日本語字幕付)
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akiapple | 大分県 | 不明 | 2014年03月19日
グートの演出は、前回のドンジョヴァンニでははっきり言って失敗だったと思うが、このコジはまだドンよりかはましな方であった。ただし予想通り演出とセリフが一致していなかったり、フィオルリディージがデスピーナに軍服を持ってこさせる場面が省略されていたり、変装をろくにしていなかったりと、人によっては不満の残る演出ではある。1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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天然芝 | 秋田県 | 不明 | 2011年01月08日
「俗物」とのお叱りを受けるかもしれないが、映像作品である以上は歌手だって美男美女揃いの方が良いに決まっている。殊にこうした現代劇への読み替えの場合はそれが強力な武器になるのではあるまいか。 グラインドボーンの名舞台で「普段着でも面白いのではないか」と思わせたパーション、レーティプーは案の定で、殊にレーティプーはスマートなイケメンぶりが際立っているうえに、歌唱においてもこちらの方が自信に満ちているように見える。 スコウフスとプティボンもこのコンセプトに見事にハマっていて、歌唱はもちろん芝居巧者っぷりに舌を巻く。 「歌唱」という点ではそれぞれの歌い手がモーツァルトの枠を逸脱している部分もあるのかもしれないが「だってグートの舞台だもの」と思えば別に不思議ではない。 グートの演出は優れた歌手(役者)の力もあって、読み替えも綺麗に収まっていると思う。アルフォンソの持ち出す「羽根」はフィガロから、邸宅に忍び込む「森」はドン・ジョヴァンニへと三部作の「つなぎ」としての意図も見え隠れするが、お得意のストップモーションともども邪魔といえば邪魔。 ただし総じて受け入れやすいプロダクションだとは思う。 兄フィッシャーの指揮は弟に比べ仕上げの甘い部分も散見されるが、あまりピリオドに傾斜せず流暢さとふくよかさを残した演奏には好感が持てる。 ブルーレイでの映像・音声は水準以上と思うし、輸入盤ながら日本語字幕がしっかりしているのはありがたい。1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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村井 翔 | 愛知県 | 不明 | 2010年09月07日
三つのダ・ポンテ・オペラの締めくくりにふさわしく、グート演出が相変わらず冴える。序盤はこんな話ありえないと良く言われる通りのこのオペラの不自然な設定を強調するため、『フィガロ』の時のようなストップ・モーションを多用するが、男心、女心の真実が露わになってくると、『ドン・ジョヴァンニ』の時のように外の「自然」が白壁の豪邸のなかに侵入し、「異国人」たちの白いスーツも泥だらけになってゆく。ドン・アルフォンソとデスピーナがそれぞれ異性不信になった原因である「心の傷」を露骨にさらけ出すこともあって、終盤はかつてないほどのドロドロの展開に。指揮のアダム・フィッシャーは、2006年グラインドボーンで振った弟のイヴァンの方が一枚上手かと思うが、オケの巧さにも助けられ、まあ悪くない。パーションはそのグラインドボーンでも、ちょっと笑えるほど操の堅い姉娘にぴったりだと思ったが、二つの大アリアではたっぷり笑わせ(第1幕)、泣かせて(第2幕)くれる。プティボンの弾けっぷりも楽しいし、スコウフスは苦みも感じさせる万全の狂言回し役。歌手陣はドラベッラのレナードがやや地味に見える以外、完璧だ。3人の方が、このレビューに「共感」しています。
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