韓国の国民参与裁判制度 裁判員裁判に与える示唆
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ハンベル | 岐阜県 | 不明 | 2020年12月23日
韓国法研究者だけでなく、裁判員裁判に関係する方々に かねてより韓国の国民参与裁判制度に強い関心を有し、論文を発表してきたことで知られる現職刑事裁判官の著者が、韓国の国民参与裁判制度について出した単行本です。 前半では、国民参与裁判制度の成立経過、制度の具体的内容、実施状況、課題を詳しく説明しています。はしがき、巻頭言が韓国語併記されていることなどからもわかりますが、著者は、韓国の刑事司法全体を理解し、刑事訴訟法改正や、量刑基準、国選専担弁護士制度、そして捜査についてまでも、要所要所で言及されています。 後半は、国民参与裁判制度がどのように修正されていくか、日韓両制度が互いにどのような示唆を与えるかを論証しています。現職裁判官らしい実証的で控えめな筆致ではありますが、著者の主張はバランス感覚に優れ(韓国一辺倒というのでは決してなく、参考なりそうだが参考にならない、すべきでない点は、明確にそのように指摘している。)、説得力があるように感じられます。取調べの可視化の問題についても、踏み込んだ論述をしています。また、裁判員裁判の運用についても随所に記述があり(特に第5章)、参考になるほか、資料編においては、参与法、規則の条文(改正経過含む)、最新の重要統計を収録しており、資料的参照価値も高いと思います。 韓国法の研究者だけでなく、刑事関係の研究者、裁判員裁判に関わりないし関心のある実務家の方にもお勧めです。平易な文章は、司法修習生、ロースクール生も十分に理解できます。 少しでも関心を持たれた方に、お勧めしたい1冊です。0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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