Fold Your Hands Child You Walk Like A Peasant: わたしのなかの悪魔
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madman | 東京都 | 不明 | 2010年06月12日
'00年発表。すでに一般的なステイタスを確立していながらも、コマーシャリズムを排した独自の活動方針をつらぬいているため、今なお謎めいた存在であり続けているグラスゴーの7人組(本作を最後にベースのスチュワートが自身のプロジェクト、ルーパーに専念するため脱退)。ブリット・アワードをもたらした98年の『ザ・ボーイ・ウィズ・ジ・アラブ・ストラップ』に続く4作目の登場だ。 仲間の家の居間に集まった日曜音楽家たちの集い…といった雰囲気の、のどかで和気アイアイ、演奏の歓びが間近で感じ取れるような音。でありながら、ヘタウマとかシロウト臭いバンドというわけでなく、彼らならではの完成した独特の作風を隅々まで行き届かせていて、揺るぎなさすら感じてしまう。トランペットやチェロを使ったバンド・サウンドはもちろん、ピアノやスネア・ドラムの響き具合、ギターの弦を指がすべる音まで確固たる個性を漂わせていて、70年代フォークっぽいとかネオアコとかいう批評は無力に聞こえる。ほの甘く、優美で、どこか郷愁を誘うような。しぼりたての果汁100%ジュースみたいに瑞々しくて混じり気がなくてさわやかで。しかし、ゾッとするくらいにシビアで、笑ってしまうしかないほどリアルで、インパクトいっぱいの歌詞のギャップのおかしさ、歌われる今どきの気分など、ゆっくり味わってみなくちゃね。1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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