ゴルトベルク変奏曲 ハッキネン(チェンバロ)
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mimi | 兵庫県 | 不明 | 2018年08月31日
2008年の録音なので、Hakkinenの録音としては10年前、キャリア最初期ではありませんが、それでもまだ32歳での録音。数多あるGoldbergの中でも良演に属すると思います。この西洋鍵盤音楽史上で、ひょっとすると最も大きな包容力を有する傑作には、それこそ無限のアプローチがあるでしょうが、Leonhardt, Hantaiに師事し、わずか23歳でWilliam Byrdの作品集で希有の良演盤を記録し、その後もFrescobaldiをはじめ、数々の歴史的音楽に携ってきたHakkinenのアプローチは(Leonhardt, Hantaiの流れをくむ?)作品の一つ一つの歴史的多声音楽的背景を踏まえた、いわば完全に「基本に忠実な」ものと思われます。こういったアプローチは当然の事ながら、奏者の音楽的思考、経験がもろに出てくるので、この演奏も、特に中盤から後半にかけて、やや一曲一曲の細部の構造再現で掘り下げがどうかな、と思われる面が見過ごせない瞬間がいくつもみられます。ただ、曲冒頭から前半部分にかけての美しい再現は、それでもこの若い奏者が年齢に相応しからぬ(?)深くてひろい学識と、Bachの音楽に対する適合性の良さを有している事の証明と思います。特筆しておきたいのは、各変奏の前半・後半すべての反復を行っているにも関わらず、そこに(時折みられる)決まりだから反復しておいた、風の不自然さが一切なく、各変奏から曲全体があくまで一つの流れの中に自然に流れていくことで、トータル80分の演奏時間が全く長く感じられませんでした。Goldberg variationという汲めども尽きぬ傑作の、最上の再現にはまだ及ばないかも知れませんが、それでも昨今のチェンバロによる演奏ではかなり上位にランクするのではないでしょうか。やや甘いかも知れませんが、多くの方に聴いていただきたい演奏として、推薦させていただきます。1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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奈梨 | 奈良県 | 不明 | 2015年10月10日
SACDでなおかつ全てリピートありという貴重な録音です。素直な解釈で、安心して聴いていられます。0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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