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CD プラド音楽祭のパブロ・カザルス(4CD)

プラド音楽祭のパブロ・カザルス(4CD)

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    一人のクラシックオールドファン  |  兵庫県  |  不明  |  2012年07月08日

    本盤はカザルスがフランスの寒村プラドでバッハ没後200年記念から開催スタートしたプラド音楽祭(後年カザルス音楽祭と名称変更)での演奏モノラルライブ録音集(1950〜1952年録音)で私は全てを聴いているわけではありませんがCD4の二曲を別盤でレビューしていますのでそれを先ず転記させていただきますのでよろしく・・・。ブラームスのピアノ三重奏曲(演奏タイム@15’56A7’16B9’24C7’05)は1952年収録でM.ヘス(ピアノ、当時62歳)、P.カザルス(チェロ、同76歳)、I.スターン(ヴァイオリン、同32歳)の人生肯定的な演奏姿勢がライブでの時折漏れてくる主にカザルスの唸り声が拍車をかける様でこの作品に大変マッチした出来具合になりました。第1楽章、穏やかな主題はこの曲の改作を通してブラームス自身の青春の息吹を掘り起こした様で昔日の若い時を抒情的にこの三名がこの楽章の終結部でのある「思い入れ」を込めて再現不能なまでにしっかり表現してくれました。ピアノのヘスはイギリスのピアニストでバッハのBWV147からの「主よ、人の望みの喜びよ」をピアノ用に編曲した事で知られておりますが私は唯一聴いたのが本盤演奏です、渋さと慈愛に満ちた感じで若きスターンのヴァイオリンそしてカザルスのチェロと真っ向からぶつかり合うまるで男同士のヒューマニティを感じさせますね! トリオは第1楽章に通じる抒情的で前後がスケルツォ舞曲風なのがブラームス色らしい第2楽章を経て第3楽章は三名の奏者が対話する様な響きでお互い行き来する様子がリアルです。カザルスの鄙びた演奏がヒューマニティ溢れ内省的ではありますが暗くはなりません。カザルスを軸にした様な感じに受け取りました。最終楽章はピアノ分散音に弦がウロウロ乗って次第に底上げする如く気分が高揚し堂々と終わります。スターンの若さも好感が持たれます。弦楽六重奏曲第1番の方も同じ1952年モノラル録音でタイムは@12’20A10’27B2’57C11’08、演奏者はスターン、シュナイダー(ヴァイオリン)、 トーマス、ケイティムス(ヴィオラ)、カザルス、フォレイ(チェロ)でこの六名は「偉大なるカザルス」の気迫のこもった重厚なチェロの響きを基本軸として音楽を仕上げています。特徴的に捉えるならば第2楽章は仏映画「恋人たち」に用いられ有名なのですが甘い雰囲気というより比較的剛直で力強い演奏に仕上がっているのは彼ららしい処ですね。人生経験を味わった生命力をはらんだテイストというのでしょうか、単に綺麗ごとだけに終わらない気迫・信念を彼らに教えてもらっている様な気分にもなりました。当時六名中一番若かったスターンは後年1989年には今度は自らが音頭を取ってリン(ヴァイオリン)、マ、ロビンソン(チェロ)、ラレード、トムリー(ヴィオラ)のメンバーで再録した弦楽六重奏曲第1番(タイム@15’27A9’44B3’01C10’09)盤もある様です、勿論ピアノ三重奏曲の方も1964年でのローズ(チェロ)、イストミン(ピアノ)との共演盤もあるとの事ですがこの方は現段階では未確認です。こうして若い頃先輩に教えてもらった事を何年か経って後輩に伝えて行くのが「人生」なのかも知れません・・・。なお、他の本盤収録曲何れもがカザルス自身が独奏者であったりアンサンブル主催者であったり指揮者なりのものですが一方スターンはじめ多くの共演者もホットで誠実なメンバーで御大カザルスに求心力を集中させたものとなっており各曲演奏タイムデータは次の通りです。CD1→バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番(@4’22A7’43B4’26)、ピアノ協奏曲第5番(@3’34A3’07B4’17)、ブランデンブルグ協奏曲第4番(@7’01A3’38B5’24)、CD2→ベートーヴェン: ピアノ三重奏曲(@9’53A5’42B6’43)、・シューベルト: 弦楽五重奏曲(@14’15A13’13B9’08C9’45)、CD3→シューマン:チェロ協奏曲(@11’50A4’10B9’01)、ベートーヴェン: ピアノ三重奏曲第7番「大公」(@14’03A7’30B14’02C7’30)。マァ、出来具合からすれば今日これらを上回る演奏盤は幾らでもありますが彼らの「志し」は最高ランクだと私は思っております。★一つは置いておきましょう。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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