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ベートーヴェン(1770-1827)

CD ピアノ協奏曲第4番、第5番『皇帝』 ブレンデル、ラトル&ウィーン・フィル

ピアノ協奏曲第4番、第5番『皇帝』 ブレンデル、ラトル&ウィーン・フィル

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    一人のクラシックオールドファン  |  兵庫県  |  不明  |  2011年03月07日

    VPOをバックにしてベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲を録音演奏し通したのは古くは1950年代後半のバックハウス/イッセルシュテット、1970年代初めのグルダ/シュタイン、1980年代前半のアシュケナージ/メータそして1990年代後半の本盤演奏ブレンデル/ラトルが思いつきますね。私は属する世代の常として平凡ではありますが先頭のバックハウス/イッセルシュテット盤に長く馴染んで気にも入っていたのですがこの演奏を「剛」とすれば「柔」として本盤演奏ブレンデル/ラトル盤も捨てがたくなっております。ブレンデルのベートーヴェンには私は彼がまだ駆け出しの頃のソナタ集LPでその切れ味がある中に何とも言えぬ円やかな運びのタッチが印象的でしたが本盤の演奏はその「味」を結構残しながら流石66〜67歳の草書的な色彩もブレンドされラトルの奏法アプローチ・・・後年の交響曲集よりはまだ刺激性が薄い感じを私は持っております・・・が似合った演奏となりました(1999年度レコードアカデミー賞受賞演奏であります)。ブレンデル自体は何回も協奏曲集を録音しており第4番、第5番での本盤演奏以前のものを年代・指揮者/オーケストラを羅列しておきますと1960年代前半・・・第4番ワルベルク/WSO、第5番メータ/WSO、1970年代半ば・・・ハイティンク/LPO、1980年代前半・・・レヴァイン/CSOといった具合でソナタ集も前述の古いものも含め三回?録音しているところからブレンデルのレパートリーの掘り下げ「推移」が聴かれますね。2008年末に引退をして後進指導、著述等の活動を行なっているブレンデルはベートーヴェンについて人間としてと芸術家としての両面が相容れない処に興味があり。演奏においては作品構築性と共にユーモア面とのバランスにも留意することが大切・・・と述べております。そういう事で録音回数を重ねた本盤演奏にその「推移」の結論じみたものがあるのかも知れません。勿論私も本盤演奏以外の全てを聴いてはおりませんが本盤演奏は回数を重ねた結果の「理」に走ったとも評された部分もあるそうですが私には丁度良い加減です。第4番(1997年録音、同@17’40A5’01B10’10)はVPOの美しい演奏が映える曲で思索的なアプローチにもオーケストラの存在感充分。第2楽章は時としてデモニッシュさが強調されるのですが本演奏は意外とサッパリして喉越しが爽やか。最終楽章はメリハリのついたバックとやはりカデンツァ前後が素晴らしいですね。さて、第5番「皇帝」協奏曲は冒頭書いたバックハウス/イッセルシュテットが打ってつけの堂々としたものでしたが本盤演奏(1998年録音、タイム@20’54A8’17B10’34)には何か清冽さが感ぜられ第1楽章スタートから粒の揃ったピアノの音色が先ず迸り展開オーケストラは覇気のある王者ぶりが窺えます。強打でも澄み切っていることも特徴的です。短いカデンツァの前のオーケストラはスピードダウンした「溜め」も効果的でした。コラール風の中間楽章も更に余裕があり続けて入る最終楽章も堂々としていると共に時に演奏の仕方である「くどさ」も皆無であります。「皇帝」という標題から方向感がこの演奏で良いのかは分かりませんが格調を維持しつつ押し付けずスッと聴く者の中に入って来ました。本盤HMVレビュー曲目リストに各楽章演奏タイムが載っていますが私のかねてからのレビュー意向と合っており嬉しいです。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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