マルタ・アルゲリッチ/ザ・コレクション 1 ソロ・ピアノ録音集(8CD)
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mari夫 | 東京都 | 不明 | 2013年11月04日
基本的に初出のLPに倣っているから一枚あたりの収録時間は少ない。ただいずれもそれなりに考えられたプログラムなので、変に抱き合わせするよりも筋が通っています。何と言ってもこの値段ですからそれに文句言う人はいないでしょう。デビューアルバムは19歳。このころのDGの音はもっと栄養不足だったような気がするのですが、最初から録音のハンデは感じさせない。それにしてもこの人は19歳にして殆ど完成されていたということは改めて感じさせます。すべての音符に生気と色彩が吹き込まれている。最初から最後まですべて「音楽」また「音楽」。天才ならではというところでしょうか?ただ、あんまり円熟とか進化とかとは縁のない人ですね。最初からいいといえばそうなんですが、いい替えれば美学としては、たとえばポリーニにとかミケランジェリとかグールドのような新しさはあまり感じさせません。レパートリーも王道保守路線だし。知的アプローチじゃなくて情動的、本能的なアプローチなんですね。ノリとひらめきがすべてみたいな(師事したミケランジェリとはそりがあわず、グルダとは良かった-今回のアルバムにも彼と写っている昔の写真があります-というのはそうだろうなぁ、という感じ)。そこのところが、すべてが聞くに価する名演であることは認めても、全部が全部ナンバーワンかといわれると(これはレコードの聞き手の悪い癖ですが)、私には必ずしもそうもいえないところはあります(どんなピアニストだってそりゃそうでしょうけど)。それで、ファンからの顰蹙は覚悟しながら星一つ引きました。文句なしにいいと思うのはショパン前奏曲(もっているCDより音が良くなっていたせいもあるかも)とリストとシューマンのソナタ、それにバッハの三枚。3人の方が、このレビューに「共感」しています。
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