弦楽四重奏曲No.1,2 ハイドン四重奏団
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シャルヴェンカ | 千葉県 | 不明 | 2021年11月15日
中学時代にマーラー、ブルックナーを発掘し、高校ではトロンボーンで全日本吹奏楽コンクール金賞。更に30歳でプロのオーケストラ事務局に就職と、絵に描いたような音楽人生を送ってきた私が、唯一手を出さなかったのが室内楽であり、その中心が弦楽四重奏曲。それが一変、今年5月から204曲を集めるに至る。きっかけはテレビ東京で放送された映画「鍵泥棒のメソッド」。半沢直樹コンビの堺雅人さん、香川照之さん主演の映画冒頭3分半から流れる美しいアダージョに心を奪われた。それこそが弦楽四重奏曲の金字塔、ベートーヴェンの14番だった。以来弦楽四重奏曲に取り憑かれしまう。私の名曲認定の流儀は、まず両端楽章が短調であること。あとは私の感性を刺激するかどうか。短調作品は意外と多く全体の4割強。残る長調作品については中々名曲が見つからない。その壁を見事に突き破ったのがこのボロディンの2曲だ。ボロディンと言えばまずはオペラ「イーゴリ公」。良くも悪くもロシア臭い傑作だが、同じ時期にこの弦楽四重奏曲が生まれたとは信じがたい。いやそもそもこれほど爽やかで穏やかで明るくて美しい音楽とボロディンが繋がらない。ロシア臭さのないこの音楽の作者を当てられる人は世界に一人もいないと断言できる。短調作品は敷居が高いと思う人は、まずはこの2曲から弦楽四重奏曲の世界に足を踏み入れることを勧めたい。ハイドン四重奏曲の演奏も、これら名曲の魅力に花を添えるほどに美しい。価格もリーズナブルです。1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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