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矢崎知紀 / 本多猪四郎

DVD ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃

ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃

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    yuuyuu  |  不明  |  不明  |  2013年06月29日

    私が初めてこの映画を見たのは小学4年生の時でした。当時の感想としてはご多分に漏れず「期待はずれ」でした。しかし、今では感想が当時と全く異なり、むしろ、最も頻繁に見る映画になってしまいました。この映画は怪獣映画という名目を持っていますが、実は教育映画だという考え方があるようです。私もその考え方に反対しません。ただ、少し異なった見方をしています。 この映画では少年とその両親とのふれあいの場面が少ないですが、しかし、それによってむしろ少年「一郎」とおもちゃコンサルタントの「南」の関係にスポットが当たっていると思います。(両親の出番を少なくしたことによって、むしろ内容の焦点が明確になっていると思います)。「一郎」から見た「南」は「自分のまだ見ぬ将来像」、「南」から見た「一郎」は「子供の頃の自分」を暗喩していると私には思えます。「南」が開発している物は「実用品」ではなく「おもちゃ」です。彼は中年になってもなお少年の心を失わずに夢を追い続けている人なのではないでしょうか。そして、彼が開発したおもちゃは(かつては)必ずしも芳しい売れ行きではなかったようで、もしそうならば、今までは厳しい人生を強いられてきたことでしょう。(「一郎」はその事を気遣っています)。しかし、最近になってやっと「見込みあり」というところまでこぎ着けてきた様子です。「南」は夢に向かっての想像力(創造力)と努力と忍耐を惜しまない人でしょう。それから、「南」が、いくら少年の心を失っていないとはいえ、やはり中年だということもあり、つい子供の感覚を忘れてしまっていることもあるようで、それを補うために、おもちゃ(ちびっ子コンピューター等)に対する「一郎」の意見に素直に耳を傾ける姿勢には共感が持てます。「南」は「一郎」の存在によって「忘れていた心」を呼び起こしています。そして、主人公の「一郎」はといえば、今はまだ未熟ですが、でも、彼もまた想像力の人物です。「一郎」はきっと将来「南」のような大人になるのではないかと私は想像しました。 「一郎」が夢の中で怪獣に出会うことによって強くなっていく様子が描かれていますが、その夢も比喩であって、実際は自己啓発&暗示というものではないでしょうか。「一郎」がおもちゃのコンピュータを使って交信しているのは、夢の世界というよりは、実は「自分の心の中に潜んでいる強い自分」なのではないでしょうか。(それは大人にも適応できる自己啓発ではないでしょうか)。きっと「南」もそういう子供時代を送ったと私には思えます。だから、この二人の関係を注視すると面白いのです。 「一郎」の父親は息子のことを「坊主」としか呼びませんが、「南」は親しみを込めて「一公」と呼びます。そして我が子のように可愛がっています。かといって、実の父親は息子のことを何も考えていないのかというとそうではなく、息子の知らないところでは我が子のことを気遣っています。その他にも、この映画は人間のちょっとした心情をとても大切に描いています。予算不足で特撮に力を入れることが出来なかったらしいのですが、特撮に注げなかった力が、人間的で温かみのあるドラマに注がれたと思います。特典のオーディオコメンタリーを聞く限り、そういった長所は、制作スタッフでさえ必ずしも把握しきっていないような印象を受けました。最初から長所に気づいていた人は脚本家と一部のスタッフだけなのでしょうか? 確かに「怪獣映画」という名目で見ると不満が残る映画かもしれません。でも、これはもっと別の映画なのだと思って見てみると面白いですよ。ハンバーガーショップに入ったら中途半端なハンバーガーを出された。でも、なぜかそこで売られていたラーメンがなかなかオツな味、ということがあるとしましょう。ハンバーガーショップのラーメンが美味しいのなら、それはそれでいいではありませんか。 この映画が制作されて数十年が経過しましたが、この映画の長所に気づく人が増えてくれることを願っています。この映画は日常に疲れた大人にとって、ちょっとしたオアシスを提供してくれる作品だと私には思えます。冒頭のテーマソングがもう少し良い曲だったらな、と思いはしますが、まあ、あれはあれで良しとしましょう。

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