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ベルク(1885-1935)

CD ヴァイオリン協奏曲、抒情組曲 ルイス・クラズナー、アントン・ヴェーベルン&BBC交響楽団、ガリマール四重奏団

ヴァイオリン協奏曲、抒情組曲 ルイス・クラズナー、アントン・ヴェーベルン&BBC交響楽団、ガリマール四重奏団

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    Pianist  |  東京都  |  不明  |  2010年04月12日

    かつては別レーベルから国内盤も出ていたが、現在はどうなのだろうか? この珠玉の名作の最も早い時期の演奏記録。またそうした歴史的価値だけでなく、真に感動的な名演奏であるという点で広く聴かれるべき記念碑的な一枚。この作品はベルクの逝去後1936年4月にスペインで委嘱者のクラスナーによって世界初演されたが、この録音はその約十日後のロンドンでの公開演奏ライブ。アセテート盤八枚に記録されていたものだそうで、音の状態は確かに良好とは言えないが、スクラッチノイズは多めでも豊かなオーケストラの音がきちんと捉えられており、CD化の時に付加されたものかどうか分からないが、かなりの残響も聴かれ演奏全体の印象をよりロマンティックで幻想的な雰囲気にしている。興味深いのはこうした(当時の)現代作品の初演期の演奏ではあるが、オーケストラの技量も決して聴き劣りするものではなく、今日でも鑑賞に支障のない、立派な演奏水準に仕上がっており、オケ間の楽器セクションのバランス・分離も見事。クラスナーのバイオリン独奏ももちろん素晴らしい。クラスナーにはこの後F.ブッシュとロジンスキーの指揮によるライブ盤があるが、この36年盤が圧倒的に素晴らしい(特にブッシュ盤は録音状態がひどかった。…CBSにもスタジオ録音があったかな? これは未聴)。更に貴重なのは、ウェーベルンの指揮が聴けること。寡聞にしてウェーベルンの指揮者としての商業録音があるのかどうか知らないが、ここでは僚友ベルクの「白鳥の歌」を誠実に音響化している。当時の演奏スタイルなのだろうが、弦のポルタメントやルバートなど、歌い込みが過多…とも思えるが、今日では聴くことのできない集中力の高さ、真の共感と哀悼の意に彩られた名演。この協奏曲を愛する人、美しいバイオリンの音色を聴きたい人、時代背景に関心を持つ人… すべてに勧めたいCD。昨今安易に作られている「あっても無くてもいいようなCD」とは全く別物。演奏史の歴史的遺産はフルトヴェングラーだけではない。

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