ストラヴィンスキー(1882-1971)

CD Le Sacre Du Printemps, Firebird: Abbado / Lso

Le Sacre Du Printemps, Firebird: Abbado / Lso

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    つよしくん  |  東京都  |  不明  |  2013年01月02日

    これは素晴らしい超名演だ。アバドは、今では特定のオーケストラに縛られることなく、世界最高の指揮者として、特に若手の音楽家の育成を中心に活動を続けているが、ベルリン・フィルの芸術監督(1990〜2002年)をつとめていた時代、とりわけ癌により指揮活動の中止を余儀なくされた2000年頃までは、一部の例外はあるものの、鳴かず飛ばずの低迷期にあったと言えるだろう。前任のカラヤンの存在があまりにも大きかったということ、そして、カラヤン時代の旗本をつとめてきたスター・プレイヤーの代替わりの時期に重なったことなど、不利な状況に置かれたということもあるが、アバド自身も、レパートリーを広げるという高邁な理想を掲げたものの、王道とも言うべき独墺系の音楽において名演を成し遂げることができず、ただでさえ厳しい監視の目に晒されているベルリン・フィルの芸術監督としては、とても大方のクラシック音楽ファンを唸らせるような成果を上げることが出来なかったと言えるところだ(癌を克服した後のベルリン・フィルの芸術監督の離任間近の頃から、演奏に凄味と彫の深さが加わったことは何とも皮肉なことだ。)。しかしながら、ベルリン・フィルの芸術監督就任前の、特に1970年代から1980年代前半にかけてのロンドン交響楽団を主として指揮していた時代のアバドは、実に素晴らしかった。この時代の演奏のいずれも、殆ど例外なく、切れば血が噴き出してくるような凄まじいまでの圧倒的な生命力が随所のおいて漲っており、これにイタリア人ならではの歌謡性豊かな情感が込められた、いい意味での剛柔のバランスのとれた圧倒的な名演であったと言える。本盤におさめられたストラヴィンスキーの3つのバレエ音楽(春の祭典、火の鳥、カルタ遊び)も、そうしたアバドの全盛時代の超名演であり、前述のような剛柔のバランスに加えて、独特のシャープさを兼ね備えた稀有の名演に仕上がっていると高く評価したいと考える。アバドは、ベルリン・フィルとはこの3曲を録音することは現在に至るまで行っていないが、それは本盤の演奏の出来に満足していたからに他ならないと言える。音質は、1970年代のアナログ録音であるものの、従来CD盤でも比較的良好な音質であり、数年前にはSHM−CD盤も発売されるなど、比較的満足できるものであった。ところが、今般、ついに待望のシングルレイヤーによるSACD&SHM−CD化が行われるに及んで大変驚いた。音質の鮮明さ、音場の幅広さ、そして音圧のいずれをとっても一級品の仕上がりであり、あらためてSACDの潜在能力の高さを思い知った次第である。いずれにしても、全盛期のアバド&ロンドン交響楽団による圧倒的な名演を、現在望みうる最高の高音質であるシングルレイヤーによるSACD盤で味わうことができるのを大いに歓迎したい。そして、可能であれば、このコンビによるストラヴィンスキーによる他のバレエ音楽、例えば、ペトルーシュカやプルチネッラなどについてもシングルレイヤーによるSACD&SHM−CD化を行っていただくことを大いに期待したい。

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    masato  |  新潟県  |  不明  |  2012年12月24日

     私の中のアバドは決して刺激的な音作りをするような指揮者じゃないです。ところが,この『春の祭典』を聴いてビックリ…。すごくいい…! 好きな作品で,好きな演奏も多いこの作品ですが,もしかしたらこのアバド盤が頭一つ抜け出したかもしれない…とまで思わせてしまう名演。これほど“知情意”のバランスのとれた演奏があったろうか…。“知”に長けたブーレーズやドラティ,“情”を感じるゲルギエフやチョン・ミュン・フン,“意”に心打たれる中堅・若手指揮者の熱い名演たち(M.T.トーマスの旧盤やメータや小澤や…)。このアバド盤はその3つのバランスが見事にとれている。それは決して“中途半端”を意味しているわけじゃない。“知情意”のそれぞれがバランスをとりつつ,見事にそれぞれを主張している。本当に聴いていて楽しく,感動できる演奏だ。  加えて,聴いていて頬が緩むほどの音質改善…! 冒頭など,我が家のリスニングルームで吹いてくれているようだし,低弦の刻みの荒々しさといったら言葉もない。第1部終結部の煽りでの圧倒的な金管群…克明に捉えられた打楽器群…! 正に私がこの作品の演奏に望むすべてのものが詰め込まれているかのような演奏。『火の鳥』『カルタ遊び』も名演中の名演。

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