『ワリー』全曲 ヨリー演出、オロスコ=エストラーダ&ウィーン交響楽団、マトゥーラ、カパルボ、他(2021 ステレオ)(日本語字幕付)
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グー | 兵庫県 | 不明 | 2022年06月25日
イタリア・オペラの夭折の天才と言えば、真っ先に思い浮かぶのが、ペルゴレージ、ベッリーニ、そしてこのカタラーニだ。(マスカーニも「カヴァレリア・ルスティカーナ」レベルの作品を書き続けていたら多分早世したのではないかと思うが。)彼らの作品には、「大家」ヴェルディの骨太な作品群には決して見当たらない儚げな透明感が感じられることでも共通している。中でも「清教徒」と「ラ・ワリー」は特にその傾向が強く感じられるように思うが、そうした類稀な名作でありながら、ワリーの映像はこれまで何故か作品の舞台であるチロルの歌劇場からのものしか出ていなかった。そのインスブルック歌劇場の盤は、特典映像の関係者らのインタビューからも伝わってくるように、ローカル・レベルながらも、熱意に溢れた意欲的な公演で、私は嫌いではなかったが、さすがにすべての面においてベストの域に達しているとは言い難かったので(字幕の出方等も含めて)、今回のこの盤の登場はこの上ない朗報だった。 作品は「夢遊病の娘」や「シャモニーのリンダ」と同系列の「アルプスの乙女」オペラで、例の有名な「さようなら、ふるさとの家よ」はかなりゆっくりめのテンポで歌われている。(その際家に火を付けるという野暮な演出はご愛敬。)これまでこのアリアだけ単独でいろいろ聴いてきた中では、クリスティーナ・ガヤルド=ドマスの歌唱が好きだったが、このアリアもやはり物語の中で合唱を伴ってこそ感動が倍増し、真価が発揮される、というものだ。さらに言えば、このアリアだけではなく、聴き所は全編に溢れている。きれいな映像に日本語字幕付き。上述の演出のような細かいことを抜きにすれば、そしてワリーという主人公がある意味「嫌な女」であるということが気にならなければ、まずは安心して気持ち良く見られるのではないかと思う。0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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