【中古:盤質S】 ショスタコーヴィチ:ミケランジェロ組曲、シェーンベルク:コル・ニドライ リッカルド・ムーティ&シカゴ交響楽団、イルダール・アブドラザコフ
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Tan2 | 神奈川県 | 不明 | 2021年07月09日
ムーティは意外なことにけっこうロシア音楽をよく演奏してきました。デビュー直後の1970年代にはフィルハーモニア管とチャイコフスキーの交響曲全集、1980〜1992年のフィラデルフィア管の音楽監督時代にはスクリャービンの交響曲全集やプロコフィエフなども録音しています。 そんなムーティも、ショスタコーヴィチは1992年の交響曲第5番の録音があるのみで、あまり興味がない、あるいは苦手なのかなと思っていました。ところがシカゴ響の音楽監督になってから、2012年に「ミケランジェロ組曲」を、そして2018年に交響曲第13番「バービ・ヤール」を録音しています。どちらも声楽が入ること、特に「ミケランジェロ組曲」はロシア語訳になっているとはいえ祖国の偉大な芸術家ミケランジェロの生誕500年を記念して作曲されたことに敬意を表しての演奏だったのでしょう。 この「ミケランジェロ組曲」は作曲者の最晩年に死の床で作曲されました。息子マキシムの話では交響曲第16番としたかったようですが、時間がなかったためまずピアノ伴奏で発表され、直ちに管弦楽編曲がなされました。そのためにピアノ伴奏版の作品145と、管弦楽版の作品145aとがあります。 曲は、楽章の数・構成や楽章相互の関連が、交響曲第14番と相似形になっています。その意味で「交響曲」としての意図があったのでしょう。選ばれた詩は、ミケランジェロがパトロンである教皇やメディチ家との軋轢の中で創作したこと、偉大な芸術家であったダンテの功績が権力によって追放・抹殺されたこと、真の芸術は死後にも長く人の心の中に残ることなどが歌われたもので、ショスタコーヴィチの心情に近いものが選ばれたのでしょう。 録音自体が少ない曲なので、このムーティの演奏は出来栄えや曲に対する思い入れからほぼ最高水準の内容だと思います。 交響曲と並んで、もっと演奏され聴かれてよい曲だと思います。0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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