【中古:盤質AB】 交響曲全集、グラン・デュオ、ほか アバド&ヨーロッパ室内管弦楽団(5CD)
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蓮華人 | 千葉県 | 不明 | 2012年11月12日
昨年30周年を迎えたECO。この全集でランスの旅に次いでアバドともにグラモフォンのアワードに。現在はロンドンに居を構えているが、88年当時は流浪の民だったのか、全集完成までウィーンやヴァレンシアを巡っている。ウィーンとロンドンでは録音場所の違いもあるのだろうが、オケがまるで違うという印象を受ける。雰囲気的にはウィーン録音が響きも豊かで、奏者それぞれの自発性もいい形で伺える。殆どが自筆譜に戻った「原典主義」なのにヨアヒム編のグランデュオが含まれているという、不思議な構成。あと初発にもあったロザムンデ序曲も忘れられなく入れられていてよかった。演奏は若干ばらつきがあり、たとえば未完成の第1楽章では、拍節感に乏しくずるずる流れる第1主題と、シンコペを強く出し旋律が小節ごとに刻まれたような第2主題など対比を狙ったのだろうが、計画倒れ的。また全曲、力任せの総奏などが突き出し、どこか変。オケの若さ+自筆譜で初々しくも荒削りなチャレンジを狙ったのだろうか?…。0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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まさやん | 大阪府 | 不明 | 2010年08月02日
シューベルトの交響曲自筆総譜には総計6千ケ所に及ぶ訂正、修正があるそうです。さらに出版譜初版を校訂したヨハネス・ブラームス等が自己中心的見地で「自由に改作、削除」した為、これまでの楽譜は自筆譜を十分には反映していないとされていた。そこで、批判全集としてベーレンライター版が登場したのです。アバド盤録音時点で出版がされていなかった「ザ・グレート」等は出版に先立つ「校訂報告」と自身の「自筆譜の精査」によって使用楽譜バージョンを作成しています。従来版と顕著に違いが分かるのが「ザ・グレート」第2楽章の主要旋律の音型と、スケルツォでの挿入句でしょうか。同時期のアバドの実演では少々異なっていましたので、彼自身が試行錯誤して得た結論なのでしょう。しかし出版された新全集とは随分違った内容となっています。結局はアバドお得意の「落穂拾い」扱いです。落穂拾いと言えば「グラン・デュオ」管弦楽版もそうです。この作品はロベルト・シューマンが「ガスタイン交響曲との関係とは別に、交響曲の下書き・もしくは(楽譜を売りやすくする為の)編曲」と主張したことに由来し、実用版としてヨアヒムが編曲したものです。ネヴィル・マリナーの「演奏可能な未完成交響曲全曲集を録音した際に、選に漏れた作品ですが、美しさ・くどくどした点等如何にもシューベルトの特徴が感じられて充分楽しめる作品です。この演奏が気に入った方は、死と乙女・管弦楽版、弦楽五重奏曲・管弦楽版も聞かれる事をお勧めします。8人の方が、このレビューに「共感」しています。
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