ベートーヴェン:交響曲第3番『英雄』、メユール:『アマゾネス』序曲 フランソワ=グザヴィエ・ロト&レ・シエクル
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うーつん | 東京都 | 不明 | 2021年05月01日
紹介レビューにある通り「鮮烈な演奏」。モダン楽器の晴々とした響きとは違うが、それに負けない迫力は一聴の価値あり。湧き上がる音楽に突き動かされていくような心地よい推進力と全面に拡がる新鮮な音の咆哮。と言っても前後見境なく走り回るという印象は皆無で、じっくりリハーサルで楽器間のバランスや掛け合いを理知的に検証した後で、それを爆発させたような印象。第1楽章の最初の和音の合奏から「おっ!」と思わせ、その新鮮な驚きと「ワクワク感」は最後まで続く。作曲者がこの曲に込めた気概と「ある英雄」に向けた熱いまなざしを感じずにはいられない。第2楽章も単なる深々とした葬送行進曲というよりは、荘厳と気品を兼ね備えた印象。そして、第3楽章から第4楽章にわたるエピソードのつながりとコーダに向け計算されつくした興奮にのせられてしまう自分がいた。あれこれいじったり変な大見得をきっているわけではないのに不思議とのせられてあっという間に聴き終わってしまう。いろいろな名盤を押しのけてトップを狙える新たな「英雄」の登場を喜びたい。 メユール自体初めて聴くのであまり偉そうに言えないがカップリングされた序曲は何やら「ドン・ジョヴァンニ」の序曲を連想させる雰囲気とパワーを感じさせる。前回の第5番のディスク同様、時代の空気を味わえる粋なカップリングも好印象。5人の方が、このレビューに「共感」しています。
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