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マーラー(1860-1911)

CD 交響曲第7番『夜の歌』 インバル&フランクフルト放送交響楽団

交響曲第7番『夜の歌』 インバル&フランクフルト放送交響楽団

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    一人のクラシックオールドファン  |  兵庫県  |  不明  |  2011年06月08日

    マーラー没後百年ということで私にはかねてより難曲の交響曲第7番「夜の歌」の幾つかの演奏盤を再度自分の能力上達確認も兼ねて聴き直しております。本盤はインバル/FRSOによる1986年のインバル50歳の時の録音演奏で1987年のレコード・アカデミー賞受賞盤であります。先ず演奏タイムが@22’36A14’40B10’18C13’13D16’49と心持ち最終楽章があっさり目の感じがします。第7番はスコアの第2,4楽章に「ナハト・ムジーク」と記せられていた事から「夜の歌」というタイトルもついていながら支離滅裂な感じでとっつきにくい印象があり・・・プラハでマーラー自身の指揮での初演も聴衆の反応はかなり鈍かったらしくまして我々素人はそのレベル以下で当然なのかも・・・と自ら自己弁護。この曲はマンドリンとかカウ・ベルなど交響曲には珍しい楽器も使われ矛盾・分裂気味の印象を更に煽り聴き様によっては単に「音の瓦礫」にしか聞えかねない世紀末芸術的作品をインバルはどちらかと言えば複雑な響きを整理して抑制を効かして同じユダヤ系のバーンスタイン等の演奏とは異なり粘つきません。各楽器の音を明瞭に出して録音の良さで奥行き感を増長させます。私自身はインバルの本マーラー交響曲シリーズでは第4番の明るい見通しの良い演奏の面影をこの第7番にも見たのですが少し曲場面も異なる処、微妙な隙間がありました。最終楽章と対をなす第1楽章は冒頭葬送雰囲気の陰鬱なリズムでスタートしますがオーケストレーションにおける長短調の絶えざる行き来やシェーンベルク的不協和音に加えるに突如とした爆発と停滞の繰り返しの内にもこの演奏はユダヤ的共感に過度には陥りません。インバルには短調より長調が向いている処も第4番と連想した所以なのかもしれませんがその明暗両立での底入れが少し見当たらないのが些か物足りなくはあります。第4楽章と対をなしていると言われる第2楽章は前楽章と変わって山岳風景的なホルンや前述のカウ・ベルなどで抽象的ではありますが田園風景が想起される楽章です。途中美しいメロディアス部分もありますがただマーチ基調は各楽器に加えティンパニーもアクセント付けしそのメリハリ感が素敵ですね。第3楽章の冒頭の不気味なスタートは印象的、やがて現れるグロテスクな舞曲的テーマもマーラー独特の感触。ある退廃的な臭いを醸し出しますがあくまで粘つかない風通し良い肌合いですね。トリオ中ほどのヴァイオリン、チェロ等の踊る処も絶妙です。やや単調さに流れそうな処を最後ティンパニーで楔が打たれます。第4楽章はヴァイオリン・ソロから入るのですが優しい雰囲気で茶々を入れる如く挿入されるギター、マンドリンののどかさがホッとさせます。時折マーラーの曲に見られる各楽器を入れかわり立ちかわり登場させる室内楽的雰囲気も捨てがたくヴァイオリンのしっとりさが全体の演奏から見ると引き立ちますね。最後は消え入りそうに〆めます。連打ティンパニーがこの最終楽章の象徴ですが決して狂気に走らず後半管楽器中心に「溜め」を不気味にばら撒きながら次第に山場へ・・・鐘も大いに鳴らされフィナーレへの体勢は万全・・・冒頭のティンパニーも多用されて勝利感の内に曲は閉じられますが「切れ」の良い演奏が雪崩れ込み的フィナーレ・クライマックスにも重さ・粘つきがなくこの辺りポイントゲットするかいなかの分かれ目。全体としてはアッサリさ・分かり易さでの素晴らしいアプローチの第7交響曲なのですがそれと対照的なとてつもないタイムのクレンペラー盤が私の中では一歩リード??。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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    四郎右衛門  |  大阪府  |  不明  |  2010年03月14日

     録音も演奏も優れており大方の五星に異存は有りません。 C/P は最高。正にこの一枚でしょう。ただ再投稿はできないので、規則違反を承知でこの場を借りれば、Leaper/Gran Canaria PO はこの盤に比肩します。あちらは Arte Nova の廉価盤で C/P は同じく高い。Inbal は細かくテンポを揺らしますが、Leaper は大きくうねります。五楽章最後に雪崩れこむ衝撃はLeaper が遙かに凌駕。勿論ここの所は個人の好みです。私にとっては Leaper が最高。―それに応える Glan Canaria PO も離島の楽団とは思えない実力。次いで Halasz の怪演。―Zinman,Levi も良い。Inbal/Frankfurt RSO は演奏録音ともに緻密優秀。ただ些か impact に欠ける弊が有ると私は思います。他の人に薦めるのは無論この盤。

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