【中古:盤質A】 ゴンベール:ミサ・メディア・ヴィータ ヒリヤード・アンサンブル
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うーつん | 東京都 | 不明 | 2020年04月15日
男声の緻密な絡みはさながら綾織りの如し。合唱団規模の団体になるとこの精緻な織物の編み目を愉しむことはできなくなる気がする。 ディスク紹介にもあるとおり作曲者の人生の歩みはかなりすごいものがあるが、心なしか曲の中に哀切というか諦観の影を感じる。だからこそと言うべきか、言葉そして旋律が切々と訴えかけてくる。その訴えがポリフォニーの綾織りという衣をまとい、懇願や祈り、哀しみや迷い、喪失感など様々な感情が交差しているかのような印象を受けてしまう。SNSに代表されるような良い・悪いの通俗的な二元論では表現しきれない複雑な感情をポリフォニー音楽に託したように感じる。 最近の新型コロナウイルス禍(2020年)で自宅に籠る方も多いと思う。かく言う私もその一人だが、声高に空虚なおしゃべりをするだけのニュース的ワイドショーあるいはワイドショー的ニュースで時間を無駄遣いするより、このような真摯で密やかな声に耳を傾けた方がこの時期の問題を考えるためにはいいものだ、と思ったりもする。 横道にそれてしまったが、声の力が心に届くためにはしっかりと対峙して聴くしかない。それに値するディスクだと思いお勧めしたい。 私もそうだがキリスト教的な音楽と敬遠せず、そこに込められたメッセージ −−突きつめれば「平和」あるいは「平穏」でしかない−− に心を寄せてみてほしい。人類がいまだに手に入れていないこれらの「目標」に想いを馳せつつ、こんな時期だからこそ聴かれてみては・・・。0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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