【中古:盤質A】 交響曲全集 アルトゥーロ・トスカニーニ&フィルハーモニア管弦楽団(1952 ライヴ)(3CD)
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mari夫 | 東京都 | 不明 | 2016年10月12日
有名な演奏だが、NBCとの全曲をもっていたのでこれまで手を出さなかった。しかし、聞いて本当に良かった。ベートーヴェンは39年、ブラームスはこれがいいと思ったら、どちらもライブだ。何年経てもテンポが変わらないとかいう神話が流布したおかげで、フルトヴェングラーとは対照的に、ライブでもスタジオでも変わらないというイメージが定着しているトスカニーニだが、やはり緩急や間の取り方の興趣が違う。流れがより生きており、勢いにつながっている。とくにこの演奏は戦後久々のロンドン公演ということで、聴衆の拍手も凄まじく、オケの緊張感も伝わる。一同固唾をのんでいる(本当にその空気が伝わる)中で始まる「悲劇的序曲」の最初の和音がそれにしては今イチ決まり切らないと思ったら、巨匠まで緊張していたのか、何と一番の交響曲だと思って6/8で振り出したのだと言う。緊張ならぬ緊迫の度合いの点で凄いのは1番と4番。ともに裂帛の気合だ。その代わりにこの二曲はライブならではの傷がある。1番のフィナーレではコーラルのところでトロンボーンがトチルが、リハで緊張しすぎた第一奏者がLSOのトップと交替して、そのピンチヒッターもまた緊張しすぎでトチッたとリーフレットには書いてある。4番のフィナーレでは、途中で爆竹を鳴らすとんでもない奴がいる。最初のはティンパニと歩調を合わせたのでなかなか音楽的な犯人と思ったら(?)あと二回音楽とは全然関係ない所で炸裂。ところが今度はオケは何事もなかったかのように進行。流れも緊張感も損なわれることはない。厳しい裸形の精神が屹立しているような4番だ。2番もとくに前半の二楽章が見事で、音楽が呼吸しており、機械的な所が微塵もない。ただフィナーレは文句をつけるところはないのだが、それまでと比べるともっと何かがあっても良いような気がする。リーフレットでも最高の演奏でレッゲも絶賛したと書いてる3番(何故か音はこれが一番良い)も、確かに生気に満ちた英雄的な演奏だが、私的には、立派だが何かが欠けた演奏に聞こえる。スタジオ録音とあまり変わりがないというか。ハイドン・ヴァリエーションはとてもいい。音質は皆さんがいわれるほど良いとは思わなかったが、年代並みで大きな不満はない。NBCとのスタジオより少し落ちる程度。少し留保がつくので星4つかなぁと思ったが、両端の曲があまりにいいのでやっぱり5つ。3人の方が、このレビューに「共感」しています。
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∀ラスカル | 新潟県 | 不明 | 2010年12月23日
この演奏会は1952年9月29日と10月1日の2日間に亘って行われたが、初日の一番初めに演奏された『英国国歌』、そして『悲劇的序曲』の第一音を聴くだけで、トスカニーニの、そしてフィルハーモニア管や聴衆の熱狂が伝わってくる。 各楽曲についてどこがどうだと言うことはスペースの関係もあるので避けるが、全体的な特徴としては裂帛の気合とそれを完全にコントロールしきった意志の力、そして力強いカンタービレというマエストロ本来の魅力に加え、NBCよりも自発性のあるオーケストラ独特の伸びやかさが演奏全体を支配している。 もちろんマエストロはオーケストラに全権委任するはずも無く自らの美学を余すことなく披瀝しているのだが、ロイヤル・アルバート・ホールの残響やレッグの録音の良さも相俟って、RCAに遺されている録音よりもより自由な印象を受けるのである。 録音は50年代初期のモノーラル録音であり、いくら同時代の録音の中ではマシな部類だと言っても、音質的には当然に限界が有る。 よい『音』を聴きたい方、ブラームスはドイツ風のウジウジぼんやりした演奏で無ければならないと言う固定観念に捉われている方には、この演奏は全く勧められない。 しかし、最も強靭で、最も浪漫的で、最も歌心に溢れており、最も男性的なブラームス演奏を求める方、そして虚心坦懐に音楽と向き合うことが出来る方にとっては、この録音は必携である。 ここには、人類が到達してしまったブラームスの交響曲演奏の一つの極北が、間違い無く遺されているからである。 この演奏を聴かずしてブラームスの交響曲演奏を語ることは出来ないであろうし、この録音を聴かずして死ぬと言うことはブラームスの交響曲の最も極限の姿を知らずして死ぬと言うことに他ならないのである。8人の方が、このレビューに「共感」しています。
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黒熊怪 | 兵庫県 | 不明 | 2010年09月07日
初日、開幕の悲劇的序曲は、この演奏会を、世紀の演奏会にさせた。驚くべき集中力で、しかも、室内楽を聞いているのかと思うほど、余分なものは一切ない。静かな落ち着きを得ていながら、巨大なスケールと圧倒的な推進力を備えた、正に静と動の極致を見る想いだ。この人は、スカラ座、VPOもそうであったが、客演の時は、極めて魅力的。黄金期のPO、極度の緊張の中で開始される感動的な国歌演奏、レッグとの関係も素晴らしい、いわゆるプロが唖然とする、ロンドン52年の伝説的演奏会。7人の方が、このレビューに「共感」しています。
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黒熊怪 | 神戸 | 不明 | 2008年06月01日
初日、開幕の悲劇的序曲は、この演奏会を世紀の演奏会にさせた。驚くべき集中力で、しかも、室内楽を聞いているのかと思うほど、余分なものは一切ない。静かな落ち着きを得ていながら、巨大なスケール感と圧倒的な推進力を備えた、正に静と動の極致を見る想いだ。この人は、スカラ座、VPOもそうであったが、客演の時は、極めて魅力的。 黄金期のPO、国歌演奏が感動的で立派、レッグとの関係も素晴らしい、いわゆるプロが唖然とする、ロンドン52年の伝説的演奏会。5人の方が、このレビューに「共感」しています。
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eroiika | tokyo | 不明 | 2007年07月21日
あいにく伊HUNT盤しか持ち合わせていないが、トスカニーニらしい熱い演奏にオケと会場の豊かな残響が潤いを与えている。構成力や峻烈さが一層際立つ反面、柔らかさには乏しい手兵NBC盤とは違う味わいが楽しめる。ブレインをはじめとするイギリスの管の素晴らしさもマイクはよく拾っている。3人の方が、このレビューに「共感」しています。
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顕 | 岐阜県 | 不明 | 2007年05月25日
とても立派な熱い演奏です。しかし、私はNBCの方がきちっとしているので好きです。3人の方が、このレビューに「共感」しています。
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肉ポエム | 東京 | 不明 | 2006年05月08日
ぼくにとって最高のブラームス全集だ。ブラームスを好まない多くの人と同じく、あのもったいぶった感じがどうもいいだけない。しかし、これを聴いてぼくはのけぞった。この全集はどこをとっても曖昧さが無く、聴いていてその迫力に圧倒される。低音がきっちりと入っており、トスカニーニの芸術の神髄を伝えている。燃え上がるマグマの様な響きはブラームスの隠された情熱を明かしてくれている様な気がするのだ。NBC響との全集もあるが、ぼくは断然こちらを推す。3人の方が、このレビューに「共感」しています。
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thud | 東京都杉並区 | 不明 | 2006年02月12日
参りました。正直トスカニーニのブラームスは、私のテンポ感と合わないのですが、そういったものを超えて迫ってきました。圧倒的な迫力とは、こういった演奏を言うのでしょうか?フルトヴェングラーの迫力とは、全く異質のしかし、これもまた本質であろうと感じさせるものでした。troysbarさんと同じくこの演奏が、特に評価されず、論評されないのは、不思議です。5人の方が、このレビューに「共感」しています。
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torysbar | 福岡市 | 不明 | 2003年06月02日
1番の第1楽章の序奏、ティンパニ(ジェームズ・ブラッドショー)の音を聴いただけでぶっ飛びます。皮が破れるんじゃないかというほどの最強打!第4楽章のコーダも、スコアにはないティンパニを追加して沸騰しそうな大迫力です。トスカニーニの情熱の桁外れのすさまじさを味わえるCD。これが正当に評価されていないのが不思議です。4人の方が、このレビューに「共感」しています。
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