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リムスキー=コルサコフ (1844-1908)

Hi Quality CD 『シェエラザード』 キリル・コンドラシン&コンセルトヘボウ管弦楽団(MQA/UHQCD)

『シェエラザード』 キリル・コンドラシン&コンセルトヘボウ管弦楽団(MQA/UHQCD)

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    シャルヴェンカ  |  千葉県  |  不明  |  2021年11月15日

    1979年、即ちアナログからデジタル録音に移行する直前の名録音盤。私は当時17歳、高校2年でトロンボーンで全日本吹奏楽コンクール金賞を受賞した頃にレコードを入手。当時私は世間のブームに先立ち、マーラーの交響曲のスコアを取り寄せ、片っ端からトロンボーンの練習材料にしていた。オーケストラは、ベルリン・フィルよりもシカゴ響の演奏を模範としていたので、コンセルトヘボウ管は初めて聴いたように記憶している。この出会いによってコリン・デイヴィスのストラヴィンスキーやベルリオーズの演奏を知り、このオーケストラの大ファンになった。取り分け「春の祭典」は未だにデイヴィス盤を超える演奏を知らない。さてコンドラシン盤、冒頭の重圧なトロンボーンのテーマに続くヴァイオリン・ソロ。これほど甘美な演奏はほかに存在しない。クレバースは大多数のソリストが自分の腕を鼓舞するように時にはもの凄く早いテンポで演奏するのに対し、どこまでもたっぷり、慌てず品良く演奏する。それが却ってアラビアンナイトの幻想的な雰囲気にぴったりマッチしているのだ。第2、第3楽章の木管楽器の音符沢山のソロも同様で、全く崩さずに雰囲気たっぷりに演奏している。最も印象に残るのは第2楽章のトロンボーンのソロとトッティ。ソロは楽譜上の3連符の音符の間隔を少し開けて演奏していて、普通の3連符の演奏よりも遙かに説得力がある。続くトッティも知っている限りコンドラシン盤が最もエキサイティングだ。と言うより圧倒的だ。フィナーレは少々問題あり。リズム感そのものは最高なのだが、勢い余ってリズムが乱れる所がある。中間の一旦静かになったシーンでスネアが走ってテンポを外し、加わるフルート、クラリネット、トランペット、ホルンがどれに合わせようかと迷ってしまっている。また、弦セクションの3連符が4連符に変わる箇所もテンポが追いつかない。ライブではないのだから録り直して欲しかった。全体的にはアラビアンナイトの物語の雰囲気豊かな演奏で、純音楽的なアプローチに立ったほかの沢山の演奏とは一線を画している。コンドラシンは1978年に旧ソヴィエトから亡命。コンセルトヘボウ管とはこれより以前から共演し、かなりのライブ録音を残している。スタジオ録音はこのシェエラザードが第一弾と認識していた。さあ亡命して西側のオーケストラと自由に共演出来ると期待していた矢先、1981年3月、急遽テンシュテットの代役で3時間後に迫った公演を引き受け、リハーサルなしで本番を終えた直後に心臓発作で急逝している。その公演を引き受けなければ、コンセルトヘボウ管に限らず、様々なオーケストラとの録音が残っていたはず。今でもとても残念に思う。

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