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チャイコフスキー(1840-1893)

DVD チャイコフスキー:交響曲第5番、ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番 アンドリス・ネルソンス&ゲヴァントハウス管弦楽団、バイバ・スクリデ

チャイコフスキー:交響曲第5番、ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番 アンドリス・ネルソンス&ゲヴァントハウス管弦楽団、バイバ・スクリデ

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    村井 翔  |  愛知県  |  不明  |  2020年02月21日

    来日直前に本拠地で収録された、昨年の日本公演と同じプログラム(ソリストのアンコールのみ違う曲だが)。ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番は独奏者にしっとりとした叙情的な歌い口と切れ味鋭いテクニックの両方を要求する難曲だが、スクリデはどちらも兼ね備えている。ただし、彼女の音楽は悪く言えば「蒸留水」的でクールなたたずまいを崩さない。第2、第4楽章ではアイロニーやエグ味がどうしても欲しいのだが、これはヒラリー・ハーンにあって彼女にはないものだ。  チャイコフスキーの第5番は素晴らしい見物/聴き物。作曲者自身が一切、言葉による説明をしていなくても、明らかにプログラムを持った交響曲として聴くことができる作品だが、そのプログラムが眼前に見えるような指揮。たとえば第1楽章第2主題に入るときの、まるで音価が倍になるかのような思い切ったテンポの落とし方、一方、小結尾にかけてのアッチェレランド。完全に楽譜を編曲してしまうようなバーンスタインのやり方とは違って(実はこれも大好きなのだが)、ネルソンスの振り方ではこれらの部分が全く恣意性を感じさせずにドラマを語っている。ネルソンスはこの第5番について、『悲愴』に劣らぬ悲劇的な作品だということをしばしば語っていて、甘いカンティレーナになりがちな第2楽章も、この演奏ではひんやりとした感触が印象的。特に至難なピアニッシモを保持するホルン独奏には大拍手。第3楽章でもホルンのゲシュトップト音をしっかり効かせて、不穏な感じを演出しているが、最もきわだった解釈が聴かれるのは、一般には壮麗な凱旋行進のように奏でられる終楽章コーダ、モデラート・アッサイ以降の部分が極端に速く、突進するように演奏されること。運命「に対する」凱歌があげられるのではなく、まさしく運命「が」凱歌をあげるかのようだ。確かに2008年のバーミンガム市響とのライヴでも、この部分の解釈は同じなのだが、今回は全体が遥かに恰幅良いテンポになっているので、終楽章コーダの突進は印象が強いし、指揮者の考える個性的な解釈を刻印することに成功している。

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