【中古:盤質A】 ユジャ・ワン/ファンタジア
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ぶひ | 東京都 | 不明 | 2013年02月02日
先ず「絵画的練習曲」 ラフマニノフが時折入れる「独特のコサック節?」がワタシは好きです。 特に当盤第一曲目の「イ短調 作品39の6」は独特のリズムが癖になる。 この曲、単に上手いだけの運動神経系と絶妙なリズム感に乗るもの二手に分かれる。 ユジャ・ワンの演奏は けっこう癖があるので個性的。 一度聴くと ユジャのリズムだとわかるくらい(笑) このスタイル上品・下品の両極端スレスレを自由自在に行き交う ホロヴィッツ系の演奏かなと。 技巧に走りすぎているのかと思いきや 独特な色気や繊細さも持ち合わせている。 ホロヴィッツやペライアのように 弱音の音が美しいからか? グルックのオルフェオとエウリディーチェなどを聴くと 耳を澄まして聴き入ってしまう。 トリッチ・トラッチ・ポルカ 等の楽しい曲もある。 「死の舞踏」は 骸骨の音がカラカラ鳴っているようだ 総じてこのCDは聴いていて実に飽きない。 買ってよかった。 これからはプロコフィエフ、ストラヴィンスキーや アルベニス、ラベルといった 才能溢れ少し尖ってるけどお洒落な 若々しくエネルギッシュな音楽家の演目を出して欲しい。2人の方が、このレビューに「共感」しています。
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村井 翔 | 愛知県 | 不明 | 2012年05月02日
19世紀の聴衆はパガニーニやリストの人間離れしたテクニックに接して畏怖を覚えたに違いない。その後、レコードという便利なメディアのおかげでハイフェッツだろうがホロヴィッツだろうが自宅に招くことができるようになり、19世紀的なヴィルトゥオーゾの伝説も過去のものになったと思ったのだが・・・私はこのCDを聴いて心底、畏怖の念を覚えた。技術的には彼女に比肩すると思うが、どこまでも陽性なラン・ランとは全く違った個性。ヴィルトゥオーゾの「魔性(ましょう)」と「妖気」を現代に蘇らせることのできるピアニストだ。毎度ながら、今回もプログラムは実によく考えられている。まず最初の核となるラフマニノフは、よくもこれだけと思うほど、とびっきりの暗い曲ばかり。それに『オルフェオとエウリディーチェ』『カルメン変奏曲』『糸を紡ぐグレートヒェン』と死のオブセッションに関わる曲を続ける(エウリディーチェは最初から死者だし、カルメンもグレートヒェンも死の運命から逃れられない)。ここに加わると『魔法使いの弟子』のスケルツォすらも死へと駆り立てる音楽のように響くから面白い。後半の核のスクリャービンもかなり暗い曲を並べたあげく『詩曲Op.32-1』(ホロヴィッツの愛奏曲でもあった)で彼岸的な世界に達する。そして最後のシメが『死の舞踏』。これで黒い羽根をつけたジャケ写真に見事につながる。7人の方が、このレビューに「共感」しています。
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EIHIKO | 埼玉県 | 不明 | 2012年03月17日
ウワサはずっと耳にしていた。昨年BS3で、ブニアティシビリに焦点が当てられていたヴェルビエ音楽祭というのを見たが、ユジャ・ワンは脇役だったので、その実力は半ばだった。しかし店頭で、この悪趣味の黒い羽をまとった毒々しいユジャ・ワンの新譜を見つけて衝動買い。ラフマニノフからギクリとさせられる鋭利な打鍵に思わず仰け反る。切れ味は剃刀のようで、正確無比(のようにピアノをろくに知らない私の耳には聴こえた)。さらに曲想は山間を流れる激流のように澱みなく流れる。テクニックの見事さは、耳を洗われるように新鮮。しかも留まることがない変化し続けるやわらかな情感まで醸す。ダイナミクスの振幅の凄さ、爽快さ、駆け上り、一気に下降するアクロバテックな至極の技は隅々まで冴えわたり、一点の濁りもない。どんなに激しくむずかしいパッセージも、ほとんど完璧に混濁なく聴こえる。これは録音が良いからではない。ピアノそのものが見事な解像度で鳴っているからである。ここまで鮮烈にピアノを弾くことができる人は他にいるのだろうか? ウワサの実体をようやくこの耳で聴くことができた。中でも、ウルトラCの曲芸のようなシュトラウスのポルカのあとに流れて来たショパンのワルツの、なんというデリカシー。ピアニシモのデリケートなテンポ・ルバートに酔いしれた。テクニックが抜群なだけではない、艶やかな情感の美音が胸に刺さる。 ブニアティシビリといい、ユジャ・ワンといい、これほど若くて美しいピアニストが出てきている21世紀。人間が、確実に進化をしていることを実感させてくれた1枚。4人の方が、このレビューに「共感」しています。
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