残り者 双葉文庫

朝井まかて

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784575669466
ISBN 10 : 4575669466
フォーマット
出版社
発行年月
2019年06月
日本
追加情報
:
339p;15

内容詳細

時代は幕末、徳川家に江戸城の明け渡しが命じられる。官軍の襲来を恐れ、女中たちが我先にと脱出を試みるなか、大奥にとどまった「残り者」がいた。彼女らはなにを目論んでいるのか。それぞれ胸のうちを明かした五人が起こした思いがけない行動とは―。激動の世を生きぬいた女たちの矜持が胸を打つ傑作時代小説。

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ケンイチミズバ さん

    努力を惜しまず耐えてきた。あの日常がこれからも続くと信じたい気持ちが私にもとてもわかる。が、突然職を失い猫を探す。先に出立した天章院が寵愛した猫を。官軍が来るまでに江戸城を去らねばならぬのに城中を逃げ回る猫。なついていた猫を探すおたこ、成り行きでそれを見届けるりつ、徳川は朝敵となり大奥は解体なのに猫を保護し篤姫からお褒めをもらいなおも昇進したいちか、みな明日が来ると思いたいのだ。教室に居残り。やらかす生徒だったのでよくあった。居残り同士で通じ合うものがあってむしろ楽しかった。時々担任からご褒美もあったし。

  • yoshida さん

    江戸城の明け渡し。ひとつの時代の節目。大奥の人々も一橋家等に退去した。そんな折に、退去せず残った大奥の女達がいた。呉服之間、御膳所、御三之間、御中臈。それぞれの理由で江戸城から離れ難く、女達は引き渡しを密かに見届けて退去する意思を決める。それぞれに個性のある女達。とりわけ御中臈のふきが格好が良い。それぞれが過ごした大奥は彼女達の家であり、守るべき居場所であった。高官同士で引き渡しを終えた後に、長州の兵達が土足で大奥に踏み込む。更に略奪をする兵達の様子は、女達と同じく腹が立つ。明治での後日談も清々しく読了。

  • のり さん

    江戸城明け渡しに伴い、旦那様こと「天璋院」から退去命令が…官軍を怖れ大奥も慌ただしさが増す。そんな中、城内に留まった残り者が5人。位や役職が違えどそれぞれに思惑が…大奥という独特な世界で生きてきた女達。天璋院を頂きに未来永劫を信じていた。大奥こそが女達の家そのもの。自分の中で折り合いをつける為の決意。不安を振り払い生きる為に…

  • rico さん

    江戸城開城。こんな描き方があったなんて。それぞれの理由で城内にとどまった大奥の5人の女たち。最後の1日、そしてその日。5人が、ぶつかりつつともに危機を乗り越え、絆を深めていくのはお約束通りではあるけど、一人一人が自らの「仕事」に持つ矜持は、大奥が単なるハーレムではなく、この時代希少な女性が本当の意味で「活躍」できる「職場」であることに思い至らせる。直接登場しないが、トップたる天璋院や和宮の存在感も圧倒的。よしながふみさんの「大奥」にも共通する、新しい時代の光と希望を感じさせる後日談もいい。女たちに喝采を!

  • がらくたどん さん

    職場は「大奥」!A永井版大奥お仕事物語を読んだので。まかてさんが描く舞台は江戸城開城前夜の閉店退去後の大奥。同胞に倣って退去しかけた呉服の間縫い方のりつは整理整頓浄め尽くしたはずの仕事場の「見落とし」が気になり引き返す。やがて雪崩れ込む官軍に自分たちの仕事への構えを見くびられたくない一念で。ガランとした城内に残ったのは自分ひとり・・と思う間もなく、巡り合った「残り者」5人。それぞれに思惑があり屈託があり譲れなかった矜持があった。政治の影で真の意味で「暮らし」を支え動かしてきた女性達の心意気を描いた傑作♪

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人物・団体紹介

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朝井まかて

1959年大阪生まれ。甲南女子大学文学部卒業。2008年『実さえ花さえ』(のちに『花競べ』に改題)で小説現代長編新人賞奨励賞を受賞し作家デビュー。14年『恋歌』で直木賞、『阿蘭陀西鶴』で織田作之助賞、16年『眩(くらら)』で中山義秀文学賞、17年『福袋』で舟橋聖一文学賞、18年『雲上雲下』で中央公論

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