J M クッツェー / くぼたのぞみ

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鉄の時代 池澤夏樹=個人編集 世界文学全集1

J M クッツェー / くぼたのぞみ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309709512
ISBN 10 : 4309709516
フォーマット
出版社
発行年月
2008年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
20cm,258,5p

内容詳細

反アパルトヘイト闘争の激化するケープタウン。黒人への暴力と差別を目の当たりにし、ホームレスの男に看取られることになる初老の女性が、娘への手紙として残した苦悩に満ちた手記。ノーベル賞作家の傑作を初紹介。〈受賞情報〉毎日出版文化賞企画部門(第64回)

【著者紹介】
J・M・クッツェー : 1940年、南アフリカ、ケープタウン生まれ。ケープタウン大学で文学と数学を学び、61年渡英。コンピュータプログラマーとして働きながら同大学の修士号を取得する。65年にはアメリカに渡り、テキサス大学で博士号取得。68年からニューヨーク州立大学で教壇に立つが、71年に南アに帰国。以後ケープタウン大学で教えながら、74年の初小説『ダスクランド』を皮切りに、小説や評論を次々と発表する。南アのCNA賞、フランスのフェミナ賞ほか、世界的文学賞を数多く受賞。83年の『マイケル・K』および99年の『恥辱』で英国のブッカー賞を史上初の2回受賞。90年の『鉄の時代』でサンデー・エクスプレス賞受賞。2002年にオーストラリアへ移住し、翌03年にノーベル文学賞を受賞する

くぼたのぞみ : 1950年、北海道生まれ。翻訳家、詩人。東京外国語大学卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • starbro さん

    世界文学全集完読プロジェクト https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11684481?sort=book_count&order=desc 第十一巻は、南アフリカのノーベル賞作家の代表作でした。アパルトヘイトは残っているものの、タイトル程強い作品ではなく、どちらかというと優しさを感じる作品でした。続いて第一期の最終巻へ。 https://www.kawade.co.jp/np/special/3677774465/

  • ケイ さん

    舞台は1986秋。アパルトヘイトに対する歪みがあちこちでシュートしかかっている。白人と黒人の間の亀裂は、埋めようがないようにも思える。南アフリカは、いったいどういう国なのか。語るのは、癌が再発し余命を知った70歳の女性。黒人女性が住み込みで家事をしているが、状況がそれを不可能にしていく。そして住み着くホームレスの男。癌に侵された老女には秩序を戻す力がない。次第に色々が崩れていく中で、彼女は何かを得たのだろうか。鉄のカーテンは存在し、英首相は鉄の女。東西融和やマンデラの釈放は90年。その前の、鉄の時代。

  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    漠然としているが、今の世界を見るといつか、起こる予感を書き起したような作品。癌で余命僅かになったが、知的で危険を顧みずに死に向かおうとする若者をしゃむにに救けようとするミセス・カレンは確かに善良な人だった。但し、自己破壊的な「革命」に向かおうとする政情と「アフリカ生まれであり、黒人を支配した白人層」という立場が、彼女が分かり合いたかった人との間に断絶を作り出してしまう。そして不当に差別され、教育すらも満足に受けられない事から自分を損ねても「革命」を起こそうとするベキらの絶望を、彼女は決して理解できない。

  • どんぐり さん

    アパルトヘイト末期の「悪行が押し寄せ、恥じらいや真実が逃げ去る鉄の時代」の南アフリカ。恥が積もり積もってガンになったという白人富裕層の老女が、アメリカに住む娘へ遺書めいた手紙に託す物語。白人層の国外流出が続く南アで黒人の暴力が吹き荒れるなか、ひとり娘を出迎え抱きしめる日を待ち焦がれる老女は、おのれ自身の身体が恥と自己嫌悪で悪性のガンとなり食い荒らしはじめるのを見つめる。「この南アフリカを歩いていると、だんだん、いくつもの黒い顔のうえを歩いているような気がしてくるのよ、それは死んでいる、でも霊魂はまだ去っ

  • syaori さん

    アパルトヘイト末期の南アフリカ。黒人たちは立上がり、国は内戦状態。そこから末期癌の老女が米国の娘に語る。その言葉が胸に響くのは、それが露わにする彼女の「責」、南アにおける白人の恥辱が世界における先進国の恥辱でもあるからなのだと思います。戦いに、死に臨む黒人たちに彼女は言う、「未来を台無しに」しないで。でも同時に思う、甘言や脅しで彼らの上を歩いてきた白人で娘は安全な場所にいる自分にそう言う権利はあるのだろうか。そんな恥知らずな自分への憤懣や悲しみが彼女の言葉によって剥出しになって、私の身をも抉るようでした。

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