夢みる教養 文系女性のための知的生き方史 河出ブックス

小平麻衣子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309624976
ISBN 10 : 4309624979
フォーマット
出版社
発行年月
2016年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
201p;19

内容詳細

女性にとって「教養」とは何か。深い知識や理解力から、読んでおくべき本のセット、洗練された趣味やふるまい、だれでも知っているべき一般常識にいたるまで、都合よく曖昧に使われてきた語「教養」。そこには、それぞれの時代に求められる女性像が投影されてもきた。大正人格主義から、通俗小説の中の「教養」、“文学少女”と雑誌投稿、戦後文学部の“女性化”、カルチャーセンター通いや“自分磨き”まで―。「教養」という言葉に折りたたまれた歴史的経緯をたどりながら、前向きに学ぶ女性たちを振り回す、実現しない夢の構造を解き明かす。

目次 : 第1章 “人間”にはエリートしかなれないというよく知られた事実―通俗小説からみる大正教養派/ 第2章 東大生“以外”はどんな本を読んできたか―女の教養の範囲/ 第3章 恋愛は女の革命か!?―マルクス主義と人文的教養の凋落/ 第4章 差別するにはまず女性を活用すべし―「教養」の二重底/ 第5章 向上心があなたをダメにする―教養雑誌の投稿から/ 第6章 “文学少女”はいない―文豪たちの邪悪な共同体/ 第7章 お稽古も命がけ―戦中における“ほんとうの教養”の呪縛/ 第8章 戦後文学部の女性化―“役に立たなさ”の大暴落/ 第9章 文系バブル崩壊―その後に残るもの

【著者紹介】
小平麻衣子 : 1968年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。現在、慶應義塾大学教授。日本近代文学におけるジェンダー/セクシュアリティを、さまざまなメディアや文化の広がりのなかで分析している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • シルク さん

    タイトルにまず惹かれるの。そして思わず書架から引き出すと、この表紙にヤられるんですわ。(そんで読んでみると、「アレ?」って、あてが外れる感じが無いでもない……笑)若い女性が図書館でさ。本を前に夢中で書き物している。一心不乱に、何書いてるの。この後彼女はどうなったのかな……歴史の彼方に消えてった、ひとりの文学少女。「……当時作家は女性にとって、受けた教育を生かし、自身の意見を表明できる数少ない職業の一つであったことは言うまでもない。」(p.19) だから文学少女たちは、作家という職業に羨望の眼差しを向けた。

  • jamko さん

    女性が文系に合うのではなく、そもそも社会進出を認められなかった社会構造の中で女性が声を出せたのが文系であり、その中でも当然のように差別され、数が増えてもあくまで結婚するまでのお嬢さんもしくは結婚後の有閑マダム扱い、と抜けきれない中で日本経済は一気に不況化し、女たちは「資格」という名の教養を求める。この本によって長いスパンでこの国の女の教養の関係を見たとき、手持ちの少ないカードから選ばざるを得ない状況はいつまで続くのかと絶望するのと同時に、それでも女性を支え続けたのは教養なんだなぁとしみじみ思う。

  • kenitirokikuti さん

    図書館にて。2016年刊行。第4〜7章にはベースとなる2論文(川端と太宰についてのもの)があり、第1〜3章は前史となる大正教養主義の女学生への影響、うしろの第8〜9章は、「戦後文学部の女性化」「文系バブル崩壊」と戦後を扱う。私の興味は戦後の方だったが、そちらは駆け足。ただ、すでに60年代に文学部の男女比は女の方が多くなっており、そこはもう別の問題だなと感じざるを得ない。俺が付け加えられることは、平成初めの筑波大の「マンガ・アニメ研」は男子校状態だったが、00年代には女の方が多くなってたはず。

  • さとうしん さん

    日本女性の学びの近現代史。相応の教養や社会的地位を求める女性たちが、当時の社会の構造や、川端康成であるとか太宰治といった彼女たちのメンターとなる男性作家によって、望ましい枠に嵌められていくさまが描かれる。そしてその枠は、21世紀の現在も違った形で存在しているのではないかという問題提起がなされている。暗示的な議論が多く、必ずしも明確な語り口ではないが、終盤で、最近何かと物議を醸している曾野綾子夫妻が取り上げられているのは、やはり何かの暗示なのだろうか。

  • 元気伊勢子 さん

    夢みる教養というタイトルに惹かれて読んでみた。教養の定義ってその時代時代で解釈がずいぶん変わっていっているんだなと言うのが分かり、面白かった。追いかけたからと言って何かが得られることを期待せず、自分の力で考えていく必要があるとは思った。

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