突囲表演 河出文庫

残雪

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309467214
ISBN 10 : 4309467210
フォーマット
出版社
発行年月
2020年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
510p;15

内容詳細

若き絶世の美女であり皺だらけの老婆、煎り豆屋であり国家諜報員――X女史が五香街(ウーシャンチェ)をとりまく熱愛と殺意の包囲を突破する!世界文学の異端にして中国を代表する作家が紡ぐ想像力の極北

カフカやピンチョンと並ぶ天衣無縫の想像力。
現代中国の鬼才による代表作が、ついに文庫化。

X女史の年齢は諸説紛々二十八通りあり、ピンは五十歳からキリは二十二歳まで。
容姿は「皺だらけ」とも「性感(セクシー)」とも噂され、小さな煎り豆屋を営みながら、
裏で五香街(ウーシャンチェ)の住人たちを狂気へと誘う……。

おそるべき密度と回転速度で描き出す、究極の監視社会と、アナーキーなX女史。
突破せよ、女たち! 軽やかに、ひょうひょうと。
--斎藤美奈子

著者
残雪 (ツアンシュエ)
1953年中国生まれ。文革期を思わせる長編『黄泥街』でデビュー。邦訳作品集に『蒼老たる浮雲』『カッコウが鳴くあの一瞬』『廊下に植えた林檎の木』『かつて描かれたことのない境地』『最後の恋人』がある。

近藤 直子 (コンドウ ナオコ)
1950年新潟生まれ。東京外国語大学英米文学科卒。東京都立大学大学院人文科学研究科中国文学専攻修士課程修了。訳書、残雪『蒼老たる浮雲』『カッコウが鳴くあの一瞬』他。2015年没。

【著者紹介】
残雪 : 1953年、中国湖南省長沙市生まれ。86年に発表された第一長篇『黄泥街』が世界的な評価を得る

近藤直子 : 1950年、新潟県生まれ。中国文学者。東京外国語大学英米語学科卒、東京都立大学大学院修士課程修了。日本大学文理学部中国語中国文化学科教授。2015年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • Shun さん

    初めて読む作家。残雪は中国文学界の奇才と評されているそうで、その名声を表すかのような難解さと読み応えがありました。とある五香街という土地で煎り豆屋を営む女史Xは謎多き人物。周りの人たちの言では年齢は22歳から50歳までとその人物評には諸々あり、さらに元は国家機関職員であったというから不思議な女性だ。その小さな街では彼女を野次馬のような好奇心で監視し様々噂するものだからこれも監視社会のようでもあります。そんな中でも我意に介さずの様子でその社会を生き抜く女史Xの振舞いを表したのがタイトルとなっているようです。

  • ベル@bell-zou さん

    盲目で耳も聞こえずひとつだけある眼玉から放たれるオレンジ色の光線で惑わされる男たち。X女史。彼女はただ顕微鏡を眺め豆を煎りひっそりと生活したいだけなのに。人は群れていると異物を特別視するか或いは同化させ取り込もうとする。心のざわつきに高揚しながらも物事を見たいようにしか見ない。彼女は五香街の常識の範疇にない不気味なヨソ者故にまるで妖怪のごとく語られるのだ。それにしても、この騒がしさ。銘々が声高に自己主張する有り様が、観光地の中国人団体客の賑やかさを彷彿させ同時に混乱を招く。↓

  • そふぃあ さん

    まるで自己主張の強いおばさん軍団に捕まり、終わらない井戸端会議に延々付き合っているような気持ちだった。 姦通が問題なんだと騒いでおきながら、Qを隙あらば誘惑し絡め取ろうとしたり、X女史については散々批判を浴びせながら、自分たちのことは正当化する詭弁の嵐。 論理破綻上等の言いたい放題、ストーキングや家宅侵入などのやりたい放題はマスメディアそのもの。 著者自身が登場した時点で既に疑わしかった文章自体への不信感が増大し、著者に対して人々が暗に「わたしのことはこう書け!」と迫っている描写はもはや喜劇だった。

  • jamko さん

    中国の純文学、閻連科と残雪くらいしか読んでないけど、どうかしてる具合のスケールがでかいよなとしみじみ。帯文にもカフカの名前があるから当然連想するけどほんとカフカみあるし個人的にはカフカより面白かった。だって文庫500pあるのに何も起きない。舞台は五香街だけ、X女史の噂話だけで読ませる異様。自由に生きている(ように見える)女を、排除し観察しときに崇めまた排除するムラ社会がコミカルかつ皮肉たっぷりに描かれる。→

  • R子 さん

    X女史はオレンジ色の眼光で人を恍惚とさせ、ときに廃人にする。顕微鏡と鏡を愛し、夜な夜な子供たちを集めては“うさ晴らし”をする。五香街の住人たちの間では、Q男史との姦通が囁かれ…ミステリアスでありながら自由奔放な彼女のことを把握(排除)しようと住人たちは躍起になるが、するするかわされ滑稽だ。それでも終章あたりでちゃんと目的が果たされそうになっているのが恐ろしい。カフカ『城』の饒舌さを楽しめる方にはこちらもぜひ薦めたい。

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