言葉の外へ 河出文庫

保坂和志

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309411897
ISBN 10 : 4309411894
フォーマット
出版社
発行年月
2012年12月
日本
追加情報
:
244p;15

内容詳細

「言葉」はなぜ、こんなにも自由で、そして不自由なのだろうか?著者が「何も形がなかった小説のために、何をイメージしてそれをどう始めればいいのかを考えていた」時期に生まれた、至高の散文たち―この「世界」に立ち向かうために必要な「小説家の思考」が、私たちの身体に刻印される!文庫化に際して書き下ろされた、圧巻にして必読の「まえがき」を収録。

目次 : 1(知りたい欲求と知ることの意味/ 『ドン・キホーテ』と『楡家の人びと』 ほか)/ 2(論理を越えたもの/ 形勢判断って何? ほか)/ 3(思索することと実作(実践)することの差/ 読書という精神の駆動 ほか)/ 4 小島信夫『うるわしき日々』を読む/ 5(想像力の磨耗/ 所感 ほか)

【著者紹介】
保坂和志 : 1956年、山梨県生まれ。早稲田大学政経学部卒業。93年『草の上の朝食』で野間文芸新人賞、95年『この人の閾』で芥川賞、97年『季節の記憶』で谷崎潤一郎賞と平林たい子賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 踊る猫 さん

    あくまでぼくの私見になるが、保坂和志という人は批評家であり優れた読者でもある。でも、それ以上に彼は小説家として武術を極めるように日々、小説と取り組んでいるのだなとこの本から思う。彼の語る小説論はどこか神秘的というか、「小説を書かない人」には「ナンノコッチャ」ともなりうる密教的な響きがある。別の言い方をすれば、保坂の書くものに浮かされて小説論を「頭で」語ることは危険だ。彼にならって「ゆるゆると」でもあれ書くことで、筆がはらむ運動に身を任せる営為が必要となるだろう。そして、肉付けされるかたちで哲学が活き始める

  • chie さん

    わかったようで、わからないもどかしさもあるけれど、それでいて、不思議なことに、安心感が得られた。まえがきに、「わかる/わからない」の判定をすることへの、著者の苦言?が、この本のような本の読み方へのヒントにもなっているのではと思い、面白かったので、引用しておきます。「目の前で何かが起きたり、目の前に風景が広がったりしているとき、「もっとわかるように見せてくれ。」と言わないように、全力をこめて伝えようとしている人間はそれ自体が現象なのだ。現象は理解するものではなく、それに立ち合って記憶にとどめるものだ。」

  • しゅん さん

    著者本人も別の本で「小説をまるでスポーツ観戦のように読んでいる」と語っているが、言葉の営みを身体的に捉えていく様が読んでいて楽しい。野球のバットコントロールや騎手の体重移動に意味がないように、小説も意味を読み取るものではない。こういった言葉で読者の思考を解きほぐしてくれる。子供の「時間とはなんなのか?」「宇宙の外になにがあるのか?」という疑問から逃れることに慣れてしまったのが大人だと言われると刺さるものがあった。プロ野球年鑑とかマンガなどに関する取り留めのないエッセイも好き。

  • zumi さん

    「保坂和志は天才である」と誰かが言っていたが、確かに的を得ている。初期から、カフカ的「連鎖」とヌーヴォー・ロマンの手法、及び「存在」への問いに言及し続けてきた保坂和志の思考のエッセンスがふんだんに詰め込まれている。フロイトやハイデガーを、比較的平易な言葉で噛み砕いてくれているので、『夢判断』『存在と時間』に合わせて再読したい。何かを語る時には、少なくともある程度通じる一般的な言葉にまで落とし込まねばならない。しかしそうなると、自分が感じたもの(例えば感動)は「冷めて死んだ」ものになる。この葛藤は辛い。

  • Bartleby さん

    色々な所に掲載されたエッセイがまとめられている本。ハイデガーとベケットの文章をそれぞれを引用しながら両者の世界像や思索者と実作者の違いを論じている箇所が一番興味深かった。ただ短い文章が主で少し物足りなくも感じたので、そろそろ保坂さんの小説論三部作の方に進んでみたいと思う。

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人物・団体紹介

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保坂和志

1956(昭和31)年生れ。’90(平成2)年、『プレーンソング』でデビュー。’93年『草の上の朝食』で野間文芸新人賞、’95年『この人の閾(いき)』で芥川賞、’97年『季節の記憶』で谷崎潤一郎賞、2013年『未明の闘争』で野間文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです

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