ジョゼ・サラマーゴ

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だれも死なない日

ジョゼ・サラマーゴ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309208381
ISBN 10 : 430920838X
フォーマット
出版社
発行年月
2021年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
264p;20

内容詳細

新年の始まり以降、この国ではだれも死ななくなった。高齢で衰弱する皇太后陛下、成功確実な自殺者、交通事故で十二分に息絶えたはずの人体、致命的な墜落事故…。死の活動停止を寿ぐ歓喜の高波の一方で、商売の材料を奪われた葬儀業界、死の不在によってベッドが不足する病院経営者、生と死の循環が滞る老人ホームなど、危機に陥る人々。国境の村では、生死の需要と供給を補うためにマーフィアが暗躍し、死を求める人々を国外に運びだす。悲喜こもごもの事態の中、テレビ局の会長の手元に紫色の封書が届く…。ノーベル賞作家による驚愕の思考小説。

【著者紹介】
ジョゼ・サラマーゴ : 1922年ポルトガル生まれ。現代ヨーロッパを代表する作家。一労働者からジャーナリズムの世界に身を投じ、社会時評や詩を執筆。75年、政権からの圧力で職を追われ、専業作家の道を選ぶ。長篇『修道院回想録』(82)と『リカルド・レイスの死の年』(84)がヨーロッパ各国で高い評価を得る。『石の筏』(86)と『イエス・キリストによる福音書』(91)で物議をかもしたあとスペインに移住。95年、突然の失明が人々を襲う衝撃的な長篇『白の闇』が世界的ベストセラーとなる。98年にはポルトガル語圏で初めてノーベル文学賞を受賞。2010年没

雨沢泰 : 1953年東京生まれ。早稲田大学文学部卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • シナモン さん

    ある日突然人が死ななくなった国の悲喜劇を描いた物語。死がなければ復活もなく教会は困る。患者が治癒、又は死ぬことによって回っていた病院は患者で溢れて困る。葬儀屋も困る。個人の家でも死にそうで死なない人の扱いに困り、死のある隣の国に連れていったり。死のない世界も大変。だけれど死の予告の手紙が来るのもやだな。「いや、当然楽しみではない。だが、この年齢になると 見えるんだよ 出口がすぐそこに」改行が少なく文字がぎっしり詰まってて読むのに苦労したがいろいろ考えさせられる一冊でした。

  • どんぐり さん

    バッハの無伴奏チェロ6番ニ長調BWV1012。この曲を聴いて、読者はこの本を閉じることになる。サラマーゴの『白の闇』では突然目が見えなくなる設定であったが、この物語では、人が死ななくなったらどうなるのかという問いが発せられる。人間が死ななくなると、宗教がなくなり教会を必要とせず、葬儀屋や生命保険も不要となる。死のない未来は、神の不滅を意味する。死を望む者は、隣国ではまだ死が存在するために、ベッドで死んだように生きている人間を運び込む越境が試みられる。そこで国境封鎖が始まり、闇組織が暗躍する。→

  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    人にはある絶対条件がある。それは「生まれたからは必ず、死ぬ」と言う事だ。この物語は「翌日、だれも死ななかった」という、その絶対条件を根底から否定するような一文から始まる。「死」の消滅から如何に「死」を前提に社会が成り立ってきたかを知り、戸惑う人々の悲喜劇は滑稽でもある。でもコロナ禍で今までの生活が変わった私達は彼らを笑う事ができるだろうか?後に「死」の消滅は特定の国のみで起きており、国境を越えると死ぬことができる事が判明する。その事実を知ってからの人間の利己性の暴露劇は、承前のある家族の挿話を覆い隠す。

  • NAO さん

    新年の1月1日を境に、ある国では突然人が死ななくなった。人が死なないというと、それは楽園ではないかと思うかもしれない。だが、死なないは、いいこととは言いきれない。「死なない国」は「死ねない国」ということになるからだ。この誰も死ねない国で起きるあれこれがブラックユーモア的に描かれたあと、この国に再び「死」がやってくる。だが、突然の死というものではなく、死神から手紙が届くのだ。死までの猶予は1週間。死神から手紙を受け取ることになってしまった人々の言動が描かれていく。

  • Vakira さん

    神は宇宙の沈黙であり、人間はその沈黙に意味を与える叫び声である。Byジョゼ。Ifである。「白い闇」では突然、人は盲目になる。今回は突然、人は死ななくなる。死なないので復活はない。神は不在となり教会は存在意義がなくなり、葬儀屋は仕事がなくなる。しかしこの状況はその国だけ、国境を越えると寿命以上生きた人は寿命を全うして死ぬことができる。だから闇の国境を越えさせる商売が発生し、隣国の警備隊と衝突する。寓話である。生命を産むのは女性、そして寿命を渡す役も女性なのだ。この表紙絵、死神と紫の手紙。死神は実は美女らしい

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