ミルクマン

アンナ・バーンズ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309208138
ISBN 10 : 4309208134
フォーマット
出版社
発行年月
2020年12月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
400p;20

内容詳細

「ミルクマンはある日、私が『アイヴァンホー』を読みながら歩いているところへ、車を運転しながら近づいてきた」。1970年代終わりの北アイルランド・ベルファスト。本を読みながら歩くことが好きな18歳少女が、反体制派の大物から恋人としてつけ狙われる。政治、宗教、暴力、旧弊な思考に支配されるコミュニティで少女は次第に孤立していく。16歳になった時から結婚を迫る母、すべてをセックスと結びつける義兄その1、車の爆発で死んだ元彼を引きずる一番上の姉、狂ったようにケンカして運動する義兄その3、車マニアのメイビーボーイフレンド、社会問題系の女たちや毒盛りガール、原爆坊やといった奇人変人さんたち…。固有名を排した独特の語りで閉塞した社会に生きる少女の記憶を甦らせ、2018年ブッカー賞、20年国際ダブリン文学賞を受賞した傑作長篇。

【著者紹介】
アンナ・バーンズ : 1962年、イギリス連合王国北アイルランドの首都ベルファスト生まれ。87年にロンドンに渡る。2001年『ノー・ボーンズ』でデビューし、ウィニフレッド・ホルトビー記念賞受賞。18年に『ミルクマン』を発表し、同年にブッカー賞、20年に国際ダブリン文学賞を受賞

栩木玲子 : 1960年生まれ。法政大学教授。専門はアメリカ文学・文化研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • こーた さん

    テロが頻発し、日常的にひとが死ぬ。不穏である。そんな緊張下の街にも人々は暮らしている。ちょうど僕らの暮らしが、緊急事態宣言下でも大して変わらないのとおなじように。本を読みながら歩く「私」は「ミルクマン」にストーカーされ、でも街の人びとは家族に至るまで、私とミルクマンが付き合っていると勘違いして噂を流す。ほんとうの恋人かもしれない「メイビーBF」との関係は進展するどころか徐々に後退し、「義兄その3」とジョギングへ出かけ、「本物のミルクマン」まで登場する。噂に翻弄され、次第に私は自己のバランスを欠いていく。⇒

  • buchipanda3 さん

    これはユニークな小説だった。読んでいて語りの女性の駄々漏れな思考とずっとマラソンをしているような感じ。ただ飽きることはなく、むしろずるずるとハマった。描かれるのは互いが交じり合わない分断社会(例外は国際的カップルごっこ)。男性上位、暴力上位、政治上位、さらに枠からはみ出させない風潮。噂が噂を呼ぶ窮屈な世界。そんなクソッたれな中で生きるしかない彼女が繊細にこじらせながら抗い続けて成長する。その姿が何か読ませる。そしてこんなシビアな舞台なのにユーモラスな一面も。ベストキャラは母親と妹たち。人間の適応力に感服。

  • ケイトKATE さん

    色々な意味で、異形の小説であった。主人公の少女に名前が付けられていないのに加え、“ミルクマン”、“本物のミルクマン”(‼)、“義兄その3”、“メイビーBF”、“毒盛ガール”など、登場人物に特異な名称が付けられている。しかも、主人公の少女の語りは独特で内容も終始重く暗いので、人によっては抵抗を感じてしまう可能性はある。物語は北アイルランドを舞台に、少女は突如“ミルクマン”と呼ばれるテロリストに付きまとわれる。本人は“ミルクマン”と関りがなかったにもかかわらず、噂はあっという間に広まり少女を追い詰めていく。

  • ヘラジカ さん

    アイルランドの穏やかならざる背景、周囲の環境やミルクマンから立ち上る陰湿で危険な香り。そういった淀んだ雰囲気ながらも、どことなくコミカルなキャラクター造形や、滑稽で饒舌な語り口によって、一心不乱に読み耽ってしまうほど面白く楽しい作品に仕上がっている。簡素なアウトラインからは想像もつかないほどデリケート、そして非常に個性的。好き嫌いは分かれるかもしれないが流石はブッカー賞といった傑作である。

  • 抹茶モナカ さん

    閉塞感の漂う政治的分断のあるコミュニティ。テロの気配も漂う。おとぎ話というか、異化された語り口で積み重ねられていくエピソード。ブッカー賞受賞という事で図書館から借りて読んだ。ミルクマンとの関係がよくわからなかったけど、ストーキングされていたのを、訳者あとがきで知る。理解しきれてなかったけど、ページを捲るのは楽しかった。

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アンナ・バーンズ

1962年、イギリス連合王国北アイルランドの首都ベルファスト生まれ。87年にロンドンに渡る。2001年『ノー・ボーンズ』でデビューし、ウィニフレッド・ホルトビー記念賞受賞。18年に『ミルクマン』を発表し、同年にブッカー賞、20年に国際ダブリン文学賞を受賞

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