夜を吸って夜より昏い

佐々木中

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309021669
ISBN 10 : 4309021662
フォーマット
出版社
発行年月
2013年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
160p;20

内容詳細

何かをしなくてはならない、何かを賭けなくては。何が正しいのかもわからぬままに―一人の少女の影がさす甘やかな郷愁の光景が、不意にかきくもる。とぎれ、掠れゆく記憶だけで結ばれた兄弟は、何を悔い、何を夢見ていたのか。うねる文体、はじける口語が、衝撃の結末になだれこむ。書かれていることの鮮烈さと、書かれていない謎の深みが、読者を戦慄させる。

【著者紹介】
佐々木中 : 1973年青森県生。作家、哲学者。東京大学文学部思想文化学科卒業、東京大学大学院人文社会研究系基礎文化研究専攻宗教学宗教史学専門分野博士課程修了。博士(文学)。現在、法政大学非常勤講師。専攻は現代思想、理論宗教学。2010年『切りとれ、あの祈る手を』で一般読者による「紀伊國屋じんぶん大賞2010」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ハチアカデミー さん

    A 現実には起こらなかったことでも、起こりえたことを小説は語ることができる。明確な意図が語られない賢三の行為は、それゆえ行為そのものとして読者に提示され、その解釈を委ねる。いや、解釈など不要なのかもしれない。ただ夜の中で燃え上がる炎を見つめ、その行く末を見つめることを、同時代に生きる人間に課す。一般意志などという言葉では現すことのできない群衆としてのデモの描写と、兄弟間で交わされるたわいもない会話は、そのギャップではなく、それが共存していることが現代性を現す。やっと中氏の作家としての姿が見えた傑作。

  • 梟をめぐる読書 さん

    運動の内側から見た官邸前デモの描写がとにかく圧巻。群集をあくまでバラバラな個の集合として捉えつつ、究極的には個の意味を抹消するような巨大なエネルギーの奔流として、その逐一が報告されていく。じつは大規模なデモには参加したことがないのであまり大きなことは言えないのだが、破壊も略奪もなく、規則的な歩行を強いられ続ける集団に参加することがいかに危険でストレスフルなものであるか。娯楽や祝祭としてのデモ分析を無効にする、圧倒的な現実描写がここにはある。拡大する群集と火のイメージ、だがそれは決して大破壊の序曲ではない。

  • Bartleby さん

    うねるような文体。音楽を聴くように読めばそのリズムに酔う。速度を落としひとつずつ言葉を辿っていけば描写の鮮やかさに目が眩む。頭で理解しようとするのを少し抑えて、身体的な感覚に身を任せて読んだ。

  • くさてる さん

    濃密でのたくった文章。悪文と美文の境界線上をゆらゆら歩いているような、しかし鮮烈に美しい情景を浮かび上がらせる巧みな地の文章と、いま現在を生きている人々の自然な語り言葉が同居しているこの世界に惹きつけられた。個人的には、あの官邸前デモに表現した文学として、こんなに個人の好き嫌いを抜きにして、納得させられたものは無い。ただ、ラストの展開が(どう評価するかは人により意見が分かれるのは承知ですが)、私は、どうにも駄目だった。

  • Madoka.@書店員復帰を目指し中! さん

    出会った事がないような異質の作品。文書の書き方がすごく変わっているというか、斬新というか。abさんごを読んだ時のような衝撃に似ている。

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