オペラ・オペラシオネル

蓮実重彦

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309009513
ISBN 10 : 4309009514
フォーマット
出版社
発行年月
1994年12月
日本
追加情報
:
121p;20

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読書メーターレビュー

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  • そうたそ さん

    ★★★☆☆ 三島賞を受賞して話題のハスミンの小説としては二作目にあたる作品。会話文一切ない文章で、何が描かれようとしているのかいまいち見えてこない。同じような情景が幾度と無く繰り返され、筒井康隆「ダンシング・ヴァニティ」に似たようなものを感じる。言ってしまえば、よくわからないの一言に尽きるのだが、不思議と読み心地は良い。あらゆる批評を寄せ付けぬような圧倒的なまでの文章。老諜報員も前に現れる謎の女の描写がまた妙にエロい。かと思ったら、戦中の記憶を回顧するようなシーンになるし。非常に独特な一作であるのは確か。

  • kthyk さん

    老諜報員の任務はある地方都市の市立劇場で女性に会い、書類を渡すこと。しかし、所定の時間の24時間前、まだ3時間手前の都市で豪雨に会い、用途不明のホールに閉じ込められる。そこで出会う一人の女性。彼女との体験は翌日会う、所定の都市の女性と重なると同時に任務書類もまた市立劇場のオペラと重なる。何処かミステリアスな展開で興味深い。コーヒーカップとドーナツは同じ構造。ユークリッド空間には距離はあるがトポロジー空間には距離も中心もない。前書の陥没に引継ぎこの書もまたトポロジー。しかし、前書より分かり易い、鏡面構造だ。

  • しゅん さん

    最後の任務に向かおうとする老人の男(諜報員めいているが、おそらく明確には名指されていない)の状況描写と、過去の回想と、男を「あなた」と名指す女の一人称が、唐突に入れ替わる。筋を追えるといえば追えるが、冒頭から繰り返される「横揺れ」の正体が何なのかはつかめきれないまま終わる。物語をひたすら回避しているような印象があるけれども、批評文においては割と物語構造を使っているのが蓮實で、とにかく「小説」と「物語」を切り離したいということでいいのだろうか。描写は心地よいが、『反=日本語論』の描写の良さとは別だと感じる。

  • mstr_kk さん

    ロブ=グリエにいちばん似ている「小説家」蓮實重彦の第2作。大傑作『陥没地帯』に比べ、よりいっそう無機的になっていながら、さすがにエロティック。反復の倦怠の中に、たった一度限りの<出来事>が到来するが、その<出来事>もはたして本当に<出来事>なのか疑わしい、という蓮實の批評の絵解きのような小説である。これほどまでに不毛な小説もなかろうという意味できわめて面白いが、それはしょうもないということでもある。

  • 渡邊利道 さん

    作者15年ぶりの中編小説(94年発表)。タイトルを見栄を切るようにくりかえして用いながら、引退間近の老スパイが映画のように浮かび上がる三部構成の場面で饒舌な謎の女たちと接近遭遇する。前作に比べてよりアクションが重視され、細部が反復しながら物語は速度を増しクライマックスの手前で切断を繰り返す。表紙の挿画が磯崎新のミュンヘン美術館デザインなのだった。

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人物・団体紹介

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蓮実重彦

1936年東京に生まれる。東京大学文学部フランス文学科を卒業の後、パリ大学に留学、フローベール『ボヴァリー夫人』に関する論文で65年博士号。東京大学教養学部教授を経て、同学部長、副学長をつとめ、99年4月に東京大学26代総長に就任。『凡庸な芸術家の肖像―マクシム・デュ・カン論』で88年芸術選奨文部大

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