むかし・あけぼの 小説枕草子 下 文春文庫

田辺聖子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167905965
ISBN 10 : 4167905965
フォーマット
出版社
発行年月
2016年04月
日本
追加情報
:
529p;16

内容詳細

関白・道隆が亡くなり、権力は道長へ移り、強力な後ろ楯を失った中宮定子。兄・伊周と弟・隆家に左遷流刑宣告が下り、後宮には次々と新しい女御が入内、一族は衰退の一途をたどる。定子に仕える海松子は、定子の美しさと人生の光耀、世のときめきだけを書きとどめ、「春はあけぼの草子」をついに完成させる。

【著者紹介】
田辺聖子 : 1928年大阪生まれ。樟蔭女子専門学校国文科卒。64年「感傷旅行(センチメンタル・ジャーニイ)」で芥川賞受賞。軽妙洒脱でユーモラスな小説を主体に歴史エッセイ、評論など幅広く活躍。87年「花衣ぬぐやまつわる…わが愛の杉田久女」で女流文学賞、93年「ひねくれ一茶」で吉川英治文学賞、94年菊池寛賞受賞。95年紫綬褒章受章。98年「道頓堀の雨に別れて以来なり」で泉鏡花文学賞、井原西鶴賞、99年読売文学賞受賞。2000年文化功労者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • assam2005 さん

    後半は一気に道長の威光に負け、押しやられていく。少納言から見る中宮・定子像はどこまでも貴く清らかで美しいのだが、後半になり儚げな感じが加わる。自分の最期を予言していたかのように。そして男と肩を並べて生きる少納言は、現代における「おひとりさま」の先駆者だったのではないか。女が、男に振り回されることなく一人で生き抜けるのだと示した少納言。男女差別に関してはかなり先鋭的ではあるが、身分差別に関しては当時の一般的な意見。弱者の立場に立って、初めて見える人だったのだろう。弱者である女だから見えた世界。

  • getsuki さん

    下巻まで読了。清少納言と定子さまの細やかなやり取りは楽しくも、奥深い。それを引き立たせる男性陣の配置も上手いなぁと思うなど。深い知識と教養に裏付けられた文章に時々混じる現代語が、雰囲気を損ねていない事に驚いた。

  • りー さん

    山本淳子さんの『枕草子のたくらみ』では“こんな人を同僚に働きたい”と思ったのですが、田辺さんの書く彼女は、なんというか、愛すべき人でした。上巻の「私は生きることが好きだ」というモノローグの通り、定子を魂の底から愛し抜き、男君たちと恋をして、ケラケラ明るい笑顔で「楽しかった」と去って行ったに違いない。一人目の夫=橘則光、二人目の夫=藤原棟世、男友達=経房、斉信、行成・・・それぞれに男性として個性的で素敵。彼らの魅力を引き出した大人の女性としての豊かさ。女としての魅力も強く感じた田辺さんの清少納言でした。

  • ともこ さん

    道長一族は権力の座から遠ざかり、やがて定子中宮も命果ててしまう。上巻ではウキウキ暮らした清少納言だが、下巻は切ない時代が始まった。しかし、主従関係を超えて清少納言と中宮を結びつけたものは生涯変わらなかった。感性が合い、打てば響くような相手を身近に持った二人は幸せな人生と思う。また、いがみ合う夫則光は、下卑た中にも人として憎めない親しみと勢いがあり、清少納言とは良いコンビだったと思う。60代になった最後まで「はねっかえり」精神旺盛な清少納言が魅力的に描かれた小説だった。

  • chris the bookwalker さん

    下巻は、道長の隆盛の陰で磊落していく中宮定子…という話になるかと身構えていたけど、大半は明るく賑やかでした。それだけに、最後がもう悲しくて悲しくて、涙…。いや、中宮定子も清少納言も、周りが何と言おうと幸せだった、というのが作者の意図なんだけど、やっぱり悲しいんです。枕草子は「をかし」の文学と言われているけど、この小説版の最後には「もののあはれ」を感じました。なんだかんだ、則光が最後も登場するのが面白い。

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田辺聖子

1928年、大阪生まれ。樟蔭女子専門学校国文科卒。64年『感傷旅行』で芥川賞、87年『花衣ぬぐやまつわる…』で女流文学賞、93年『ひねくれ一茶』で吉川英治文学賞、94年菊池寛賞、『道頓堀の雨に別れて以来なり』で98年に泉鏡花文学賞と99年に読売文学賞、2003年『姥ざかり花の旅笠』で蓮如賞を受賞。0

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