妊娠カレンダー 文春文庫

小川洋子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167557010
ISBN 10 : 4167557010
フォーマット
出版社
発行年月
1994年02月
日本
追加情報
:
16cm,202p

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読書メーターレビュー

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  • ヴェネツィア さん

    芥川賞を受賞した表題作を含む3篇の中篇小説を収録。小川洋子は2作目だが、これも独特の感性が感じられる物語だ。「妊娠カレンダー」は、私の日記というスタイルを取り、1人称体で語られる。対象となる姉は、妊婦であることの傲慢さを隠そうとしない点において、本人もそれと気づかない、見えざる悪意を私に向け、私はアメリカ産のグレープフルーツで作ったジャムを姉に食べさせることで、毒の悪意を姉に向ける。ここに描かれる世界は、一見したところ普通の日常なのだが、それは非日常に逸脱する一歩手前の危うい位置にあるのだろう。

  • 遥かなる想い さん

    芥川賞受賞作というので、文芸春秋で本書を 読んだ時は本当に衝撃を受けた記憶がある。妊娠したお姉さんのジャムに毒を入れ続ける妹 の描写にひどく緊迫感を感じていた。自分では どうしても抑えることができない、わけのわからない…人間の「業」のようなものを書くのが 上手なのだろう。

  • さてさて さん

    『浮かんでくるのはただ、科学雑誌で見た染色体の写真だけだ』と、ある意味で具体的な生命のイメージが浮かぶ主人公の脳裏。しかし、それは単に生物の誕生のことであり、人間の誕生に結びつけることのできない感覚には薄ら寒さを感じざるをえません。『妊娠』、『出産』という言葉から抱く感覚から対極にある冷たい硬質な表現の中に『妊娠』、『出産』というライフイベントを重ね合わせていくこの作品。強烈な違和感と不気味さを感じさせる表現の中に、全編に漂う不穏な空気感が癖になってもしまいそうな、そんな不思議な魅力をたたえた作品でした。

  • absinthe さん

    小川洋子さんの小説は、普通の人の視点から変わった人を見るという形式が多いのだろうか。記憶を持てない数学者だったり、両手と片足が無かい人だったり、給食室を見ると雨のプールを思い出す人だったり。変わった人は象徴的であり深いものを持っている。『妊娠カレンダー』わがまま姉とそれに悪意を抱く普通の妹。ステレオタイプには幸せの一瞬と表現されるべきものの中に冷徹な描写が差し込まれる。『ドミトリィ』不気味…だけどほんのりあたたか。『夕暮れ…』何事も定義しようとするとたちどころに、本当の姿を隠してしまうものなのですね。

  • Die-Go さん

    図書館本。小川洋子独特の不思議さと怪しさから成る三編の小説。短編集なので、さくっと読める。芥川賞受賞作の表題作よりも、ドミトリイの方が好き。★★★☆☆

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人物・団体紹介

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小川洋子

1962年岡山県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専修卒業。88年「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞を受賞。91年「妊娠カレンダー」で芥川賞、2004年『博士の愛した数式』で本屋大賞と読売文学賞、『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞、06年『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞、12年『ことり』で芸術選奨文部

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