パウル・ツェランと中国の天使

多和田葉子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784163916361
ISBN 10 : 4163916369
フォーマット
出版社
発行年月
2023年01月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
200p;20

内容詳細

まだ歌える歌がある、人間たちの彼方に。コロナ禍のベルリン。若き研究者のパトリックはカフェで、ツェランを愛読する謎めいた中国系の男性に出会う。“死のフーガ”“糸の太陽たち”“子牛線”…2人は想像力を駆使しながらその詩の世界に接近していく。世界文学の旗手とツェラン研究の第一人者による「注釈付き翻訳小説」。

【著者紹介】
多和田葉子 : 1960年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。ハンブルク大学修士課程修了。チューリッヒ大学博士課程修了。82年よりドイツに在住。91年『かかとを失くして』で群像新人文学賞、93年『犬婿入り』で芥川賞、2000年『ヒナギクのお茶の場合』で泉鏡花文学賞、02年『球形時間』でBunkamuraドゥマゴ文学賞、03年『容疑者の夜行列車』で伊藤整文学賞、谷崎潤一郎賞、05年ゲーテ・メダル、11年『尼僧とキューピッドの弓』で紫式部文学賞、『雪の練習生』で野間文芸賞、13年『雲をつかむ話』で読売文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。2016年にドイツのクライスト賞、18年『献灯使』で全米図書賞翻訳文学部門、20年朝日賞など受賞多数

関口裕昭 : 1964年大阪府生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。同大学院文学研究科博士課程単位取得。文学博士(京都大学)。現在、明治大学教授。専門は近現代ドイツ抒情詩、ドイツ・ユダヤ文学、比較文学。著書に『パウル・ツェランへの旅』(郁文堂、2006年、オーウトリア文学会賞)、『評伝 パウル・ツェラン』(慶應義塾大学出版会、2007年、小野十三郎賞記念特別賞)、『パウル・ツェランとユダヤの傷―“間テクスト性”研究』(慶應義塾大学出版会、2011年、連合駿台会学術賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • アキ さん

    パウル・ツェランの研究者パトリックと祖父がパリで中国医学の開業医だったレオ=エリック=クーとのカフェでの会話から成る小説。両親がウクライナ人でユダヤ系のためナチスによって死に至らされ、自らは精神病を患いパリで自死した詩人の言葉は「左」と書かれていてもアウシュビッツで左右の列で生死が別れた体験を裏打ちすることを、訳者の181にも及ぶ訳注で知る。地球の表面には子午線が走り、身体には中国医学では経路がある。解剖学の図版に書き込まれた言葉に呼応し「生命の樹をともなう小脳の虫」とする章で、解剖学用語の見方が変わる。

  • buchipanda3 さん

    ドイツ語を母語とするユダヤ人の詩人ツェランの言霊に多和田葉子の言語感性が共鳴したかのような物語。興味深く、そして面白かった。それは真摯であり、言葉遊戯のユーモアがあり、言語という不可思議で不可欠なものの世界を彷徨う愉悦に溢れていた。人は言葉を生きる。しかしその深層に触れ、観念に囚われると言葉に溺れ不安に苛まれる。言葉を食べる、消化、昇華、唱歌する。文字を歌い、怒り、痛み、不安を流れさせ滞らせない。それが詩人。それは一言語に留まらない。言語の境界で、母親と母語と心象を歌った詩人の声をもっと読みたいと思った。

  • どんぐり さん

    朝の通勤経路でいつも同じ人と出会う。道をまっすぐ左に右にくねくねと駅まで向かう。彼は道を曲がるとき、必ず90度で進路を変更する。それに対して私は最短距離の45度で歩を進める。歩く速度は彼のほうが若干速いものの、最短距離を歩く自分はすぐに追いつくことになる。私は彼のことを「直角君」と呼んでいる。本書に出てくる主人公パトリックは、道を歩くと右に曲がることができず、必ず左に歩を進める。すぐそばのカフェに行くのに、3回も角を左に曲がり、店にたどりつく。この本も、歩き方(読み方)のルールがあるようだ。→

  • まちゃ さん

    表紙の糸かけ曼荼羅にひかれて手にした一冊。パウル・ツェランや彼の詩についての知識が全くなかったので敷居の高い読書となりました。内容はさっぱり理解できませんでした。多和田氏がツェランの詩を縦横無尽に織り込んだドイツ語のテキストを関口氏が日本語に翻訳。学生時代に第二外国語でドイツ語を学んだはずだけど、もうこれしか覚えてない。「ich liebe dich」

  • 榊原 香織 さん

    難解 多和田洋子がドイツ語で書いた小説の日本語訳。 詩人ツェランもフェルデンクライスもウクライナ生まれのユダヤ系なんですね 3分の1が語注

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多和田葉子

1960年東京都生まれ。早稲田大学文学部卒業、ハンブルク大学修士課程修了、チューリッヒ大学博士課程修了。日本語とドイツ語で作品を手がける。93年『犬婿入り』で芥川賞、2000年『ヒナギクのお茶の場合』で泉鏡花文学賞、03年『容疑者の夜行列車』で伊藤整文学賞、谷崎潤一郎賞、05年ゲーテ・メダル、11年

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