本心

平野啓一郎

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784163913735
ISBN 10 : 4163913734
フォーマット
出版社
発行年月
2021年05月
日本
追加情報
:
449p;20

内容詳細

『マチネの終わりに』『ある男』と、ヒットを連発する平野啓一郎の最新作。
舞台は、「自由死」が合法化された近未来の日本。最新技術を使い、生前そっくりの母を再生させた息子は、「自由死」を望んだ母の、<本心>を探ろうとする。
母の友人だった女性、かつて交際関係にあった老作家…。それらの人たちから語られる、まったく知らなかった母のもう一つの顔。
さらには、母が自分に隠していた衝撃の事実を知る――。
ミステリー的な手法を使いながらも、「死の自己決定」「貧困」「社会の分断」といった、現代人がこれから直面する課題を浮き彫りにし、愛と幸福の真実を問いかける平野文学の到達点。
読書の醍醐味を味合わせてくれる本格派小説です。

【目次】
プロローグ
第一章 〈母〉を作った事情
第二章 再会
第三章 知っていた二人
第四章 英雄的な少年
第五章 心の持ちよう主義
第六章 死の一瞬前
第七章 嵐のあと
第八章 転落
第九章 縁起
第十章 〈あの時、もし跳べたなら〉
第十一章 死ぬべきか、死なないべきか
第十二章 言葉
第十三章 本心
第十四章 最愛の人の他者性

【著者紹介】
平野啓一郎 : 1975年、愛知県生まれ。北九州市出身。1999年、京都大学法学部在学中に投稿した『日蝕』により芥川龍之介賞受賞。以後、数々の作品を発表し、各国で翻訳紹介されている。2020年からは芥川賞選考委員を務める。主な著書は、小説では『決壊』(芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞)『ドーン』(ドゥマゴ文学賞受賞)などがある。2016年刊行の長編小説『マチネの終わりに』(渡辺淳一文学賞受賞)は累計58万部を超えるロングセラーとなった。2019年に映画化。2018年に発表した『ある男』で読売文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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今から四半世紀後の未来を舞台に描かれた小...

投稿日:2021/06/28 (月)

今から四半世紀後の未来を舞台に描かれた小説。「自由死」を望んだ母の本心を探ろうと、思考を繰り返す主人公。差別や貧富の格差に苦しみ、胸を痛めながらも、主人公は決して逃げず、考え続けます。彼の前に進んでいく姿が、頼もしく、希望を強く感じさせます。

はれ さん | 不明 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • starbro さん

    平野 啓一郎は、新作中心に読んでいる作家です。本作は、カズオ イシグロにインスパイアされたのでしょうか、近未来ママっこ男子VF譚でした。肉親であっても本心は、誰も解らないし、本人でさえも自分の本心を解らないかも知れません。 https://k-hirano.com/honshin

  • ウッディ さん

    平野さんらしい簡潔で美しい文章で紡がれた近未来の物語は、日本の明日を考えさせるとともに、読書の楽しさを教えてくれたような気がする。VR技術、自由に死ぬ権利、格差社会など、難しいテーマを扱いながらも、シンデレラストーリーのような物語としての面白さもあった。底辺を生きる朔也や三好のこちら側と富める者達のあちら側について、悔しいけれど、いつかあちら側に行けるかもしれないという希望を持てるから、なくならないでほしいと呟く三好の言葉が印象的だった。久々に出会えてよかったと思える一冊でした。

  • まちゃ さん

    「自由死」が合法化された近未来の日本。石川朔也は、母の死後に孤独と喪失感から立ち直れず、AIで再現された生前そっくりの母を再生させて「自由死」を望んだ母の本心を探ろうとする。母の友人・三好彩花、かつて交際関係にあった老作家・藤原亮司が語る知らなかった母の一面。アバター・デザイナー、イフィーとの出会い。それらを通じて、朔也は悲しみから立ち直っていく。朔也の内省が多く、共感出来るところ、出来ないところありましたが、それでも親子、命、格差や人とのつながりを考えさせる興味深い物語でした。

  • R さん

    かけがえのない母親を失った男性の復活の物語でもありながら、人生とは何か、生きてきたとはどういうことかを問う物語でした。短くまとめることができないほど、たくさんのサジェスチョンのある内容だったけども、SF的な要素によって、人物というものをどう認識するかという問いかけとともに、人間を認識するとはどういうことかを端的に示した話だったと思う。本心という概念は、誰にもわからないものでありながら、その周辺を彩る自分という存在もあり、自分を定義するものも関わる人や環境なのかもと思いつつ、答えの出ない哲学的な内容でした。

  • kaoru さん

    2040年代、格差が広がりVRやVFが日常的になった日本。高校を中退しリアル・アバターの仕事をしている朔也は亡き母のVFを作成する。母の友人で貧しい彩花や富豪イフィーと知り合いになってから朔也の人生は肯定的な方に向かうが、母の友人の藤原から聞いた自らの出生の秘密は朔也を新たな混乱に陥れた。平野氏の描く未来はあまり明るいものではなく、科学技術だけが歪に発達した世界で人間の住む世界は狭められてゆくが、そのなかでも前向きに生きようとする朔也の姿が救い。幼くして父上を失った平野氏の哲学的な問いかけに満ちた著書。

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人物・団体紹介

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平野啓一郎

1975年、愛知県生まれ。京都大学法学部卒業。大学在学中に発表した『日蝕』で第120回芥川賞を受賞。著書に、『一月物語』『葬送』『高瀬川』『滴り落ちる時計たちの波紋』『あなたがいなかった、あなた』『決壊』などがある。『決壊』で芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。

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