戦場のレビヤタン

砂川文次

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784163909851
ISBN 10 : 4163909850
フォーマット
出版社
発行年月
2019年01月
日本
追加情報
:
161p;20

内容詳細

風が吹いている。おれは、その風を肌でしっかりと感じながら、レンジローバーの後部座席で揺られている。

英国系の石油プラントを守るため、イラクの紛争地帯に進んで身を投じた武装警備員のKは、キルクークからアルビルへ伸びる国道を北上していた。
荒涼とした紛争地。戦火はおさまったかに見える地で、わき上がる問いに答えは出ない。
なぜこの地にやってきたのか、戦争とは何か、何が戦争を作り出すのか。敵は誰なのか。

大義なき戦争、警察国家が撤退した後の世界の風景を淡々と乾いた筆致で描き出す21世紀の戦争文学。著者デビュー作「市街戦」を併録。

【著者略歴】
砂川文次(すなかわ・ぶんじ)1990年生まれ。元自衛官、現在公務員。2016年、「市街戦」で文学界新人賞を受賞しデビュー。


【著者紹介】
砂川文次 : 1990年大阪府生まれ。神奈川大学卒。元自衛官、都内区役所勤務。2016年「市街戦」で第一二一回文學界新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • いつでも母さん さん

    戦時下又は紛争地においては『殺すか、殺さないか』『殺されるか、殺されないか』これしかないのだろうー私が『生きるか、生かされるか』この間でせめぎ合ってるのは平和過ぎなのか?傭兵として自ら向かう人がいて『仲間か敵か』の中に身を置く。世界にはそんな場所が幾つもある。減らない現実。いつかこの国がまたそんなレビヤタン(怪獣)に飲み込まれることが無い様願うばかりだ。デビュー作『市街戦』の方が読み易かったが、正直どちらも私には重く観念を問われているようであった。難しい〜!

  • こーた さん

    平和な現実世界に違和感を懐いた兵士は、戦地へ赴き、間近にある死に直面して、自己を内省する。近代の戦争、などというけれど、ひとりの兵士の抱える悩みは、今も昔も、さほどかわっていないのではないか。『プラトーン』『フルメタル・ジャケット』『ジャーヘッド』『ハート・ロッカー』『アメリカン・スナイパー』……。読んでいて、さまざまな戦争映画を思い出す。それは裏返せば、いずれもどこかで見た風景、ということでもある。敵と味方、生と死。そのシンプルさに危うさをかんじる。極限状態における人間の内面を描く。だがこの小説は、⇒

  • starbro さん

    第160回芥川賞受賞作・候補作シリーズ第三弾(3/6)です。砂川 文次、初読です。自衛隊勤務の経験を生かした短編二作、意外とアッサリしていてあまり刺激がありません。自衛隊出身の作家というと、浅田次郎が一番に挙げられますが、著者は今後どんな方向性を目指すのでしょうか?続いて、候補作「居た場所」へ。

  • ケンイチミズバ さん

    死と隣り合わせの世界でしか生を認識できない悲しき人種。自分の居場所がここ、紛争地しかなく先進国の人間は大資本によって消費の環に組み込まれた虚しい人種と考えているK。東京の消費生活に興味がなくバッグや車や金融商品の話が全く頭に入ってこないし仕事や結婚、家族の話が虚しく響く。疎外感を強く感じ、普通が苦しく感じられるが、この種のモラトリアムにも需要がある。紛争地の傭兵だ。それこそ多国籍企業によって誰かの身代わりとして消費される代替品に過ぎないが。リアルな文章表現ですが、見たことがある映画のデジャブでもある。

  • かみぶくろ さん

    日常生活に嫌気がさして戦場に刺激と死の手触りを確かめに行く自分探しくんの話。「生と死」についての考察を延々と続ける主人公だが、内容にあまり起伏が感じられず、物語を通じてではなく、筆者の思考をそのまま文章で伝えられているような違和感があった。だが、作品の舞台である砂漠のように乾いた文体と、ある種の厭世観みたいな感触は嫌いではない。筆者は自衛隊出身だというが、今後どういう作品を描いていくのか、興味がわく。

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砂川文次

1990年生まれ。神奈川大学卒。元自衛官。都内区役所勤務。2016年「市街戦」で第121回文學界新人賞を受賞。

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