人間失格 新潮文庫 改版

太宰治

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784101006055
ISBN 10 : 4101006059
フォーマット
出版社
発行年月
2006年01月
日本
追加情報
:
16cm,185p

商品説明

この主人公は自分だ、と思う人とそうでない人に、日本人は二分される。
「恥の多い生涯を送って来ました」。そんな身もふたもない告白から男の手記は始まる。
男は自分を偽り、ひとを欺き、取り返しようのない過ちを犯し、「失格」の判定を自らにくだす。
でも、男が不在になると、彼を懐かしんで、ある女性は語るのだ。「とても素直で、よく気がきいて(中略)神様みたいないい子でした」と。
ひとがひととして、ひとと生きる意味を問う、太宰治、捨て身の問題作。

総合評価

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「神は私に生きることを許さない」的な意味...

投稿日:2021/04/25 (日)

「神は私に生きることを許さない」的な意味の言葉がある。だから最後の「神様みたいにいい子だった」というのは自分を殺すのは環境でも他人でもなく自分自身だと言ってるのではないかと感じた。

とどけ さん | 千葉県 | 不明

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本書は太宰が遺書代わりに書いたという認識...

投稿日:2021/04/17 (土)

本書は太宰が遺書代わりに書いたという認識が一般的だが、僕はそうは思っていない。これから死のうという人間がこれだけ自虐的に己の恥をさらすことをエンターテイメントにするだろうか?  恐らくは、ネタに困っていたのだろう。それで「もう、書いてまえ!大庭葉蔵は死ぬことを匂わせていたほうがおもろいやんけ!」という太宰一流のサービス精神だったような気がしてならない。遺作になった「グッドバイ」だって読み方によってはお笑いだ。  別に太宰が陰気で(まぁ、あれだけ浮名を流す時点で陰気ってことはありえないでしょうが……)破滅型の天才であったかどうかなんてことはどうだっていいことだ。僕は太宰と伊丹監督とXのヒデはいまだに自殺だとは思っていないというだけの話だ。  「人間失格」も名作だが、僕は併録の「桜桃」も好きだ。「桜桃をいかにもまずそうに食べる」という箇所はハードボイルドだなぁ……

boggie999 さん | 神奈川県 | 不明

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10代、20代、30代と定期的に読んできた名作...

投稿日:2021/04/12 (月)

10代、20代、30代と定期的に読んできた名作だが、不思議とその度に全く違う感想を抱く一冊。おそらくそのときの読み手の成熟度や心理状態によって、人間失格の世界に陶酔したり、距離をとって俯瞰で読めたりしてしまう不朽の名作なのだろう。40代になって再び読んだときに何を思うのかも、今から楽しみである。

竜太郎 さん | 東京都 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヴェネツィア さん

    高校生の時に初めて読んで以来、何度目かの再読。第1の手記冒頭の跨線橋のエピソードや「罪のアント」など、物語のほとんどが記憶のうちにあるのだが、それでも再読に耐える小説だ。ただ、これを読むと荒涼とした、あるいは一種陰惨な気分に襲われることになるのだが。第3の手記の最後「ただ、一さいは過ぎて行きます」は、生に対する諦念と言いようのない寂寥感に満ちた表現だ。これに続く「あとがき」は評価が分かれそうだ。そこに、わずかな救いを見出すこともできるし、いっそ無い方がいいとする見方とに。私は、果てしない寂寥感の方をとる。

  • 馨 さん

    主人公の考え方が何となく今風で、引き込まれました。たった150ページで学生時代から27歳までを書いてしまうなんて凄い。自分を見せないために道化になって振る舞い(でも思わぬ人にバレるw)、自分の意思というわけでもないのに左翼活動を行ったり、面白いとは違うのだが何か笑えます。この主人公=太宰治本人のことなんでしょうか?

  • zero1 さん

    人間失格かどうか判断するのは誰?人生は恥ばかり?人は誰もが演じている?読者にとって鏡になる普遍的な作品を再読。葉蔵は他人が何を感じているか理解できない子だった。そのため道化を演じるが、中学の時、竹一に見破られてしまう。その後、高校進学で上京するが酒と女に溺れ心中騒動の末、退学となる。漫画家として収入を得るが…太宰自身が心中したこともあり、一部のファンからは神格化されている。その一方で全否定する文学者も。葉蔵は単なる小心者?葉蔵と太宰はどうすればよかったのか?誰もが内側に葉蔵を隠しているとは言えないか?

  • さくりや さん

    再読。メンタルブレイクすると読んでいる気がする。葉蔵の破滅的な生き方には共感も同情もできないが、人の顔色を気にして道化になる、というのは誰もが自然とやっていることではなかろうか。その猟奇性に気づく人がいないだけで。おそらく太宰以外が書いたら「1文が長い」と怒られそうな、不思議な共鳴を生む文章が魅力的。「背後の高い窓から夕焼けの空が見え、鷗が、「女」という字みたいな形で飛んでいました。」しかしまあ凄いとしか言いようがないなおい。

  • Major さん

     「第一の手記」冒頭の一文「恥の多い生涯を送ってきました。」この主語なしの無垢な告白に僕達読者は絶句する。人間を生きる以上、苦悩することよりも何と恥の多い日々を過ごしていることか・・・。罪は告白できても恥はなかなか明かせない。齢を重ねれば重ねるほどそのように思う。さて、この底流に当時の「転向」についての問題があるのだろうが、人の「信」の脆さを太宰はよく見抜いていた。しかし、そうした当時の時代背景から離れた21世紀を生きる僕達現代人にとっても、この一文の鋭い刃先は胸を突き刺す。(コメントへ続く)

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太宰治

太宰 治(だざい おさむ) 1909年(明治42年)6月19日 - 1948年(昭和23年)6月13日

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