ユートピア 集英社文庫

湊かなえ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087457483
ISBN 10 : 4087457486
フォーマット
出版社
発行年月
2018年06月
日本
追加情報
:
360p;16

内容詳細

【第29回 山本周五郎賞受賞作】

善意は、悪意より恐ろしい。

足の不自由な小学生・久美香の存在をきっかけに、母親たちがボランティア基金「クララの翼」を設立。
しかし些細な価値観のズレから連帯が軋みはじめ、やがて不穏な事件が姿を表わす――。
湊かなえが放つ、心理サスペンスの決定版。

地方の商店街に古くから続く仏具店の嫁・菜々子と、夫の転勤がきっかけで社宅住まいをしている妻・光稀、移住してきた陶芸家・すみれ。
美しい海辺の町で、立場の違う3人の女性たちが出会う。
「誰かのために役に立ちたい」という思いを抱え、それぞれの理想郷を探すが――。


【著者紹介】
湊かなえ : 1973年広島県生まれ。2007年に「聖職者」で小説推理新人賞を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビュー。この作品が09年に第6回本屋大賞を受賞。12年「望郷、海の星」で日本推理作家協会賞短編部門、16年『ユートピア』で第29回山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

★
★
★
★
☆

3.5

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
1
★
★
★
☆
☆
 
1
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0
★
★
★
★
☆
善意を履き違えると恐ろしいことになるとい...

投稿日:2021/04/25 (日)

善意を履き違えると恐ろしいことになるということがよくわかる本でした

たかす さん | 愛知県 | 不明

0
★
★
★
☆
☆
「善意は悪意より恐ろしい」という帯のイン...

投稿日:2018/12/12 (水)

「善意は悪意より恐ろしい」という帯のインパクトが強すぎた。 田舎町に暮らす3人の女性(地元で生まれ育った女性、夫の転勤によって暮らし始めた女性、ユートピアのような場所だと移住してきた芸術家の女性)とふたりの子供たちを軸に話が進んでいくのだけれど、はじめの方はむしろ安穏としているようにみえて読み進むのに少し時間がかかった。彼女たちの間に少しずつ温度差や亀裂が生じ始めてからは、いかにも湊かなえさんらしい、女性の負の感情がじわじわと描かれていく。 おそらく、わたしにはこれは善意とは思えなくて、もちろん悪意でもないのだけれど、小さな意地悪心や嫉妬心がちくちくと気持ち悪くて、帯にかかれているような感覚を抱けなかったのだと思う。 いわゆる「女性どうしの面倒な人間関係」でじわじわと窒息させられそうな感覚なのだけれど、自分自身は女性どうしの嫉妬や意地悪とほぼ無縁で生きてこられているので、小説の中(特に湊かなえさんの小説の中の女性たち)の心情がデフォルメされて描かれているのか、あるいは自分自身が人的環境にはるかに恵まれているのか(あるいは非常に鈍感なのか?)、とにかく読み終わって全く爽快でないところが湊かなえさんだよね、と思いつつも、人間こんなに悪いことばかりじゃないのにね、と今の自分の環境に感謝すらしてしまう、そんな感覚。あるある的に描かれているけれど、現実はそんなに悪いものではないのでは?と。小説としては怖いもの見たさで面白かったのですが。

yupi さん | 東京都 | 不明

0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • ミカママ さん

    主人公女性三人の家族関係や背景を把握するのに、時間がかかってしまった。湊さんご自身がよく知る世界を描いてらっしゃるのだと思うが、地方の閉塞感が物語に厚みを加えている。途中からひょっとして…の予想が当たったのもうれしい。全体像としてはお得意のイヤミスなのだが、ラストちょっと消化できてない箇所があり、そこだけ後味悪い(笑)

  • さてさて さん

    『今回は、ひとことでいえば「善意の行き着く果て」みたいなものを書いてみたいと思いました』と語る湊かなえさん。人によって異なる『ユートピア』、そんな理想世界を実現しようという人達の善意の行き着く果てが描かれたこの作品。悪意でなく、どこまでも善意でなされることほどある意味でタチが悪い現実社会を生きる難しさ。何もない、何も起こらない日常に普通に見られる人の優しさ、あたたかさから差し出される善意の感情。そんな善意の感情に鋭く切り込んだこの作品。改めて『善意』とはなんなのだろうとふと考えてしまう、そんな作品でした。

  • ソルティ さん

    登場人物みんな嫌な人で最初から最後まで嫌ーな感じだけど、嫌じゃない部分もあるというか、人って一人一人いい所と嫌なところと併せ持っていて、これが普通だよな、と思う反面、こんな考え持たれてると信用ならない、とも思う。だから人って全面的に信用して付き合っちゃいけないのかも、と思う。子供も大人もみんな計算しながら生きている。「ただ、もう、今の自分はその姿がみっともないということを知っている。いや、気付かされた。カッコいい生き方、カッコいい自分、そこにしがみつこうとする姿がとんでもなく惨めなのだということを。」

  • ゆのん さん

    『ユートピア』か・・。誰しも理想とする状態ってあるだろうけど、この話の様に人間の内面の暗い部分からは絶対に逃れられないんだろう。自分より上と見れば妬み、自分より下と見れば見下す、憐れむなどなど。そういう感情も含めての人間なんだろうが『善意』にしても『悪意』にしても怖いな、人間って。集2018/3

  • JKD さん

    こういうイベントの立ち上げメンバーの典型でもある「ぼんやりとした仲間意識」の中にはどうしても自分がなんとなく主役になったような不思議な感覚に陥りやすい。傍目にはとても素晴らしく見える活動のはずだけど、本作品はこの脆弱な関係性を緻密にそして不気味に醸し出していたと思います。それにしても、こういう親を持つ彩也子と久美香は大変だな。ラストの手紙は感慨深いです。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

人物・団体紹介

人物・団体ページへ

湊かなえ

1973年広島県生まれ。2007年「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞。08年同作品を収録したデビュー作『告白』は「週刊文春2008年ミステリーベスト10」で第1位、第6回本屋大賞を受賞。また14年には、アメリカ「ウォール・ストリート・ジャーナル」紙のミステリーベスト10に、15年には全米図書館

プロフィール詳細へ

湊かなえに関連するトピックス

文芸 に関連する商品情報

おすすめの商品