花折

花村萬月

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087711691
ISBN 10 : 4087711692
フォーマット
出版社
発行年月
2018年11月
日本
追加情報
:
318p;20

内容詳細

“悪王女”鮎子が生きることの意味を探す、究極の純愛小説。

画家を父に持つ鮎子は、逆子だったため帝王切開で生まれた。一度お腹を開くと次から自然分娩はできない。出産が一番の快楽だという母は、それを奪われたとして鮎子を責めた。
両親の画才を受け継いだ鮎子は東京藝術大学に進学し、京都から上京する。ある日、藝大の裏山でイボテンと名乗る男と出会い、ひょんなことから関係を持つことに。それ以後、四六時中、セックスばかりの毎日を送るようになる。そんななか、夏休みに帰省することを告げた鮎子を、イボテンさんは殴って出ていった。
鮎子は、実家で小説家の我謝さんと会い、彼の故郷である沖縄で共に夏を過ごす。そして大学に戻ったとき、イボテンさんが自殺したことを知った。突然の“不在”に足元から崩れ落ちるような感覚に陥る鮎子。
こっそり忍び込んだ彼の家には、キャンパスに描かれた裸の鮎子が残されており、なぜだかその絵に釘づけになってしまう。そして鮎子は思いもよらずその絵を盗み出す。
イボテンさんの存在の大きさと絵を描くことの本質に行き当たり、ひたすら絵を描くようになった鮎子は、ついに自分だけのモチーフを見つけることに……。
若い女性芸術家の視点で描く、濃厚でみずみずしい長編小説。

【著者略歴】
1955年東京生まれ。89年『ゴッド・ブレイス物語』で小説すばる新人賞を受賞し、作家デビュー。98年『皆月』で吉川英治文学新人賞を、『ゲルマニウムの夜』で芥川賞をそれぞれ受賞。2017年『日蝕えつきる』で第30回柴田錬三郎賞受賞。『眠り猫』『なで肩の狐』『鬱』『二進法の犬』『百万遍 青の時代』『私の庭 浅草篇』『たびを』『愛情』『錏娥哢た』『少年曲馬団』『ワルツ』など著書多数。


【著者紹介】
花村萬月 : 1955年東京生まれ。1989年『ゴッド・ブレイス物語』で第二回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。1998年『皆月』で第一九回吉川英治文学新人賞を受賞。同年、『ゲルマニウムの夜』で第一一九回芥川龍之介賞を受賞。2017年『日蝕えつきる』で第三〇回柴田錬三郎賞を受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • いつでも母さん さん

    圧倒的なイボテンの絵から逃れられない鮎子『女という性に還元できる人の真の姿を描いた』ところまで行きつくのに正直お腹いっぱいでリタイアか・・と思った。咲き乱れ、無数の折れた花ーは女の象徴たりえると綴る花村萬月の世界がここにもありました。誰に媚びる事も無く己の感ずるままを堂々と作品にするのは、この鮎子に重なって見えました。芸術家の家庭が皆こうだとは思わないけれど、花村作品はいつも自分が『普通』だと感じさせてくれる。が、普通って何?

  • starbro さん

    花村 萬月は、ほとんどの作品を読んでいる作家です。花村 萬月作品史上、性悪の肉食S女子が登場しました。芸術とエロスは表裏一体なのでしょうか? 本作に登場する絵画を実際に観てみたいなあ。 【読メエロ部】

  • どんぐり さん

    十数年振りに読む花村萬月の新作。父親を絵描きにもつ芸大生の鮎子がイボテンさんに出会って性に目覚める愛と生の冒険。この作家が書くとスケベー小説に決まっているが、それが変わっていなかったのが少々残念。主人公が女性でありながら、その性描写は荒々しく男根主義が陳腐化して澱んだまま。これも萬月ワールドといっていいだろう。那覇の栄町社交街の高齢化した売春婦が出てくるあたりは面白いのだが、性描写が長いのには飽きる。それでも萬月40冊目読了。

  • うわじまお さん

    悪玉女王・鮎子の冒険。セックス、暴力、ドラッグ、藝術・・・萬月さんでした。

  • 竹園和明 さん

    性愛を描いた作品が多いのは、それが答えのない暗い闇だからだろう。一方芸術にも正解はなく、己の世界を破れずもがき苦しむ芸術家は多い。…父から絵の才能を受け継いだ鮎子。藝大入学後、ホームレスのように暮らすイボテンなる男の描く絵に強い衝撃を受け、吸い寄せられるように身体を重ねる。彼の自死を経てもなお、彼の支配から逃れられない迷路に嵌まる鮎子。そして性愛と芸術を昇華させ、絵描きとして開眼する鮎子の力強さが圧巻。心の闇を超え鮎子が辿り着いた世界が清々しい。地を這う液状生物のようにどろりとした文体が白眉な傑作だった。

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花村萬月

1955年東京生まれ。’89年『ゴッド・ブレイス物語』で第2回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。’98年『皆月』で第19回吉川英治文学新人賞、同年、『ゲルマニウムの夜』で第119回芥川賞、2017年『日蝕えつきる』で第30回柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの

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