シンフォニア集　フォン・デア・ゴルツ＆ノルウェー・バロック管弦楽団

ヨハン・ダニエル・ベッリーン：シンフォニア集
フォン・デア・ゴルツ＆ノルウェー・バロック管弦楽団

1700年代中期、ノルウェーの当時の首都トロンハイムの音楽シーンに大きな影響を与えたベッリーン父子の管弦楽作品が６曲、初めて録音で紹介されます。トロンハイムにあるノルウェー最古の学術図書館、ノルウェー科学技術大学（NTNU）のグンネルス図書館所蔵のオリジナル譜による演奏です。

【ヨハン・ダニエル・ベッリーン】
ヨハン・ダニエル・ベッリーン[1714-1787]はプロイセンのメーメル（現リトアニア、クライペダ）生まれ。ロシアのイェルガヴァ（現ラトビア）で幼少期を過ごし、町の音楽家を務めていた父に音楽の手ほどきを受けました。16歳からはコペンハーゲンのアンレアス・ベアウ（ベルグ）下で学び、1737年、トロンハイムに渡り、市の音楽家として働き始めます。ニーダロス大聖堂とヴォル・フルー教会のオルガニスト、音楽教師を務め、作曲、音楽理論の著述、チェンバロのペダルボード製作と、ヨハン・ダニエルは幅広く活動。発明の才能にも恵まれた彼は、1763年には町の消防団長に就き、翌年からは市の水道事業の検査官も務めています。
　このアルバムでは、彼の作品が４曲演奏されています。コルネットのソロと弦楽のための『５声のシンフォニア』、クラリネット、フルートと弦楽のための『８声のシンフォニア』、変ロ管クラリネット、２つのフラウト・トラヴェルソのための『６声のシンフォニア』は、イタリアのシンフォニアに倣った「急−緩−急」の３楽章で書かれ、様式的にはバロック期から古典期への移行期に属する作品とみなされます。イ長調のヴァイオリン協奏曲もイタリア様式を踏襲しており、アレグロ−アンダンテ−アレグロの３楽章から構成されています。

【ヨハン・ヘンリク・ベッリーン】
　ヨハン・ヘンリクは約60の曲を書いたと認められるものの、現存するのはごく一部といわれ、その一曲、アレグロ−アンダンテ−メヌエットの３楽章からなる『６声のシンフォニア』が、このアルバムで演奏されます。

【ノルウェー・バロック管弦楽団】
ピリオド楽器アンサンブル、ノルウェー・バロック管弦楽団（ＮＢＯ）は1988年に創設されました。ベルゲン国際フェスティヴァル、オスロ室内楽フェスティヴァル、国外ではフランクフルト、アンスバッハ、シュトゥットガルト、スレースヴィ＝ホルステン（シュレスヴィヒ＝ホルスタイン）、ブレーメンなど各地のフェスティヴァルとコンサートで演奏してきました。

【ゴットフリート・フォン・デア・ゴルツ】
リーダーを務めるゴットフリート・フォン・デア・ゴルツはドイツの指揮者、ヴァイオリニスト。ハノーファー、ニューヨークのジュリアード音楽院、フライブルクで学び、21歳で北ドイツ放送交響楽団に入団。バロック・ヴァイオリンに転向した後、フライブルク・バロック管弦楽団（ＦＢＯ）に加わりました。現在は、ソリスト、ＦＢＯとＮＢＯのリーダーとして活動しながらフライブルク音楽アカデミーでバロックとモダン・ヴァイオリンを教えています。（キングインターナショナル）

【収録情報】
● ヨハン・ヘンリク・ベッリーン：6声のシンフォニア ハ長調
● ヨハン・ダニエル・ベッリーン：5声のシンフォニア ニ長調（コルネットと弦楽のための）
● ヨハン・ダニエル・ベッリーン：8声のシンフォニア ニ長調
● ヨハン・ダニエル・ベッリーン：ヴァイオリンと弦楽のための協奏曲イ長調
● ヨハン・ダニエル・ベッリーン：6声のシンフォニア ニ長調

　アレクサンドラ・オプサール（コルネット：2）
　ノルウェー・バロック管弦楽団
　ゴットフリート・フォン・デア・ゴルツ（リーダー、ヴァイオリン・ソロ）

　録音時期：2013年1月24-26日
　録音場所：オスロ、リス教会
　録音方式：ステレオ（デジタル／セ