フィリップ フォレスト

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洪水

フィリップ フォレスト

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309208053
ISBN 10 : 4309208053
フォーマット
出版社
発行年月
2020年10月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
291p;20

内容詳細

忽然と姿を消した迷い猫、強制収容所に移送された人々、キリストのような風貌の路上生活者、90歳の誕生日を目前に亡くなった母…。ヨーロッパでもっとも古くもっとも大きい都市の場末で暮らす男が、火事現場で不思議な男女と出会う。すべての出来事が環のようにつながっていると語る作家と、魔法使いのようなやり方で「別の音楽」を奏でるピアニスト。やがて3人の奇妙な関係がはじまる。百年前の河の氾濫を通奏低音に、破局の徴に満ちた街で繰り広げられる、美しくも崇高なる消失の物語。

【著者紹介】
フィリップ・フォレスト : 1962年、パリ生まれ。ナント大学文学部教授。現代フランスを代表する作家のひとり。1996年、愛娘の死を契機として小説執筆を開始。97年、長篇第1作『永遠の子ども』(フェミナ処女作賞)を発表する。その後、日本の「私小説」に影響を受けながら新たな「自己のエクリチュール」を開拓し、多くの小説や評論を発表している。また、文学理論や現代芸術にも造詣が深く、日本文学・文化に関する批評も積極的に展開しており、考察対象は大江健三郎や津島佑子、夏目漱石、小林一茶など多岐にわたる。2015年に上梓された浩瀚な評伝『アラゴン』でゴングール賞(伝記部門)を受賞。そのほか、邦訳に、『さりながら』(十二月賞)などがある

沢田直 : 1959年、東京生まれ。パリ第一大学大学院哲学科博士課程修了。立教大学文学部教授

小黒昌文 : 1974年、東京生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。駒澤大学総合教育研究部教授。専門は20世紀フランス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ぽてち さん

    文章は読みやすく明瞭なのだが、書かれている内容がまったく頭に入ってこない。数ページ読んでは“やめようか?”となり、気を取り直して続きを読むとなぜか急にわかりやすくなる。そんな調子でだまされるようにして読了したが……。解説と訳者あとがきを頼りに、なんとか理解したつもりになった。

  • 星落秋風五丈原 さん

    具体的にコロナの事は書いてないのですがコロナを想起しました。

  • ykshzk(虎猫図案房) さん

    コロナ以前に書かれた本なのだが、今この激変のさなかにある社会に極めて当てはめられる内容だった。浸水していくパリ。浸水以前に起こる「徴(しるし)」としての失踪や消失。ことの重大さに本当は気づいていながら、人は正常性バイアスによって真実の受容を先延ばしにしてしまう。「カタストロフの数が増えるほど、人々は『自分は不死身である』という感覚が蓄えられていく」。死がテレビから出て来て現実となってさえ、水がひけば人は忘れる。会話がカギカッコに入っていない、一人称単数で書かれる冷静なストーリー。土台にあるのは喪失と無。

  • ハルト さん

    読了:◎ 「すべては消え去る運命にある」という命題。洪水による破局(カタストロフ)。消えてしまったふたりの男女。喪失が語られる物語は、虚空に満ちている。孤独でありながら透徹とした世界にひとり、たたずむ。そこになにが見えるのか。かつて一人娘を亡くしたことからの悲哀が地続きに重なり、虚実交わり、世界の終末を思う。どこか祈りにも似た物語のようにも思えました。内容から九州の台風被害を想起もしました。

  • 一柳すず子 さん

    言い回しがまわりくどいので集中しづらいんだけど、訳のせいかな、もの凄く読みやすい。原題がむしろ「増水」というニュアンスであるということでなんか納得。

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