ドイツ怪談集 河出文庫

種村季弘

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309467139
ISBN 10 : 430946713X
フォーマット
出版社
発行年月
2020年03月
日本
追加情報
:
336p;15

内容詳細

知らない男が写りこんだ家族写真、窓辺に女が立つ廃屋の秘密、死んだ人間が歩き回る村、死の気配に覆われた宿屋…。ホフマン「廃屋」、マイリンク「こおろぎ遊び」、ヤーン「庭男」など、黒死病の記憶のいまだ失せぬドイツで紡がれた、短編の名手たちによる恐るべき悪夢の数々。種村季弘の選が冴えわたる、傑作怪談アンソロジー!

【著者紹介】
種村季弘 : 1933年、東京生まれ。ドイツ文学者。『ビンゲンのヒルデガルトの世界』で芸術選奨、著作集「種村季弘のネオ・ラビリントス」で泉鏡花文学賞を受賞。多くの著書と、マゾッホ、ホフマンなどの翻訳で知られる。2004年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • HANA さん

    ドイツは四角四面で規則に忠実というイメージがあるが、それが文学になるとどの作品にも彼方への憧憬というか、神秘主義のようなものが見られるのは不思議。本書もその例に漏れずどこか秘教めいた感覚を十全に楽しむことが出来ます。個人的に白眉は何といってもマイリンク「こおろぎ遊び」一枚の地図の上に描かれる黙示録めいた地獄絵図は何度読んでも忘れがたいイメージを残す。アンソロジーピースとしては鉄板の「ロカルノの乞食」白昼夢、悪夢めいた「カディスのカーニヴァル」「死の舞踏」も傑作。ドイツ怪談の精華に触れれる一冊だと思う。

  • くさてる さん

    由緒正しく古めかしい雰囲気の怪談、ということで退屈するかなと思ってたのだけど、杞憂だった。どれも雰囲気がそれぞれ違う作品で、面白い。怪談というだけに落ちや意外な展開よりも雰囲気を楽しむものと思って読んでいたら、読んだあとにいつまでも不穏なものが心に残る「庭男」や「写真」のような話が好みでした。

  • 三柴ゆよし さん

    いつから以前読んだことがあると錯覚していた? マイリンク「こおろぎ遊び」が満点。チベットの山奥で……行方不明の探検家が……という時点で興奮する。闘蟋の場面のグロテスクさもすごいが、ひとりの男の怖いもの見たさが全欧州に破滅をもたらしてしまうという極大の誇大妄想的ヴィジョン。自分が知らないだけで、マイリンクにはまだまだ隠れた傑作が隠されていそう。ほかにハンス・ヘニー・ヤーン「庭男」、ルートヴィヒ・ティーク「金髪のエッグベルト」が印象に残った。ぜんたいに、怪談というよりは病的な物語が多く収録されている。

  • ふるい さん

    18〜19世紀に書かれた、古色蒼然とした正統派な怪談も、それ以降の荒唐無稽でシュールな怪談も、どれも面白かった。猜疑心から発する狂気「金髪のエックベルト」、診療記録風に描かれる少女の悪魔憑き騒動「オルラッハの娘」、歴史の魔術的解釈「こおろぎ遊び」、宿屋一家のおぞましき謎「三位一体亭」、あとはこれが一番リアルに怖かった「写真」あたりがお気に入り。

  • 翠埜もぐら さん

    本当は再読。18世紀の怪奇小説は、幽霊とか怪奇現象を一生懸命理論的に説明しようとする傾向がドイツだけでなくあるような気がします。まあ理屈っぽいんですよ。なので「カディスのカーニバル」のように、ひたすら理不尽な現象がそこにあるだけと言う話は大好きです。大体説明できないからこそ怖いわけで、真昼間祭りの最中の広場での怪異、と言うのも楽しいですね。怪談集で楽しいはおかしいかな。

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人物・団体紹介

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種村季弘

1933年東京都生まれ。57年、東京大学独文科卒。出版社勤務の後、東京都立大学助教授、國學院大學教授など。作家、独文学者、評論家。文学、美術、博物誌、地誌旅行、書誌など、アカデミズムの枠を超越した知的宇宙を構築する。その一方、洒脱で諧謔味に富んだ漫遊記、旅行記、温泉記を得意とする。2004年逝去(本

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